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2020年の台湾における商標出願の趨勢分析

2021/02/25 IP 統計

www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-887372-0d856-1.html

本局は、昨年(2020年)初めてWIPO IP統計データセンター(WIPO IP Statistics Data Center)が毎年定期的に発表している「世界知的所有権指標(World Intellectual Property IndicatorsWIPI)」の統計方法を参考に一定の割合で加重した計算方法で、20102019年の台湾における商標出願をまとめて整理し、商標出願で採用している「商品・サービス国際分類表(ニース分類、Nice Classification)」を十大産業に分類し台湾産業の約10年間の発展を深く分析すると共に、WIPIの同年度の各主要経済体のデータとの比較を行い、大きな反響を得た。今年、本局は20162020年の直近5年における商標出願データの分析を行い、産業変動の趨勢を迅速に観察した。

 

直近5年における台湾が受理した商標出願案件数は年ごとに成長し、2019年には初めて11万区分を超え、2020年には更に12万区分(119,096区分)に迫った。2016年から2019年においては、外国人による出願区分数での割合は34.8~37%の間で小幅に変動したが、2017年以降は外国人による出願区分数はマイナス成長となり、2020年にはわずか30%で、前年比マイナス3.91%と大幅に減少したが、台湾人による出願数の成長幅が10.69%に達したため、通年の成長幅は依然としてプラス6.78%となった。WIPI 20202019年におけるデータによると、中国の商標出願数は膨大で、依然として世界における商標出願1位の大国で、783万区分に達し、2位の米国の11.6倍超となった。しかし、中国での商標登録出願の大部分は中国人による出願で、外国人による出願はわずか3.2%であり、他国における外国人による出願の占める割合と比較すると低かった。

 

産業別で観察すると、直近5年における台湾が受理した商標出願の上位3大産業類別はそれぞれ、「農業食材」、「健康医療」及び「商業金融」であった。台湾人出願人による商標出願上位3大産業はそれぞれ、「農業食材」、「商業金融」及び「健康医療」であった。外国人出願人による上位3大産業はそれぞれ、「技術研究」、「健康医療」及び「農業食材」で、2018年の趨勢と同様で、構成比は韓国と非常に近い。

 

出願人を国籍別にみると、直近5年におけるランキング上位3位はいずれも日本、米国、中国 の順で、3国の合計は、外国人による商標出願案件の半数を超える。日本の台湾における商標出願上位3大産業はそれぞれ、「健康医療」、「技術研究」及び「服飾小物」であった。米国の台湾における商標出願上位3大産業はそれぞれ、「技術研究」、「健康医療」及び「レジャー教育」であった。中国の台湾における商標出願上位3大産業はそれぞれ、「技術研究」、「健康医療」及び「農業食材」であった。欧州、フランス、米国、日本等の先進工業国のいずれも「技術研究」が一位で、且つ「レジャー教育」もいずれも上位を占めていることから、先進国のテクノロジー力は依然として強勢を維持しており、同時に人間の精神面のソフトパワー産業のポートフォリオ展開を重視していることを示している。このほか、他国と比較し、2019年の日本の「技術研究」分野が占める割合は非常に高く25%を超え、日本の「テクノロジーイノベーション立国」の看板が今なお色褪せていないことを表している。

 

昨年のレポート発表時を振り返ると、この時ちょうど新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が人々に不安を与え、台湾人は充分な防疫商品の備蓄をしたほか、経済見通しに対しての不確定性にも溢れたが、幸いにも台湾はいち早く水際対策を強化し、適切な防疫措置により、他国のような大規模なロックダウン、作業停止及び生産停止の状況には至らず、経済全体の新型コロナウイルス感染症によるダメージは比較的小さかった。2020年の商標出願を観察すると、産業のブロック変動は発生しておらず、且つ新型コロナウイルス感染症により台湾人は国内消費へと転換し、内需力が維持され台湾の出願は依然として相当な飛躍を見せた。しかし、観察すべきは外国人による出願区分数の減少で、新型コロナウイルス感染症の影響でその他の経済体にも同様な趨勢をもたらしているか否かであるが、これについては、WIPI 2021発表の同時期のデータ観察を待たなければならない。

 

20162020年の産業別商標出願の趨勢分析」は、上記リンク先の知的財産局サイトの檔案下載(ファイルダウンロード)「20162020業申請商標案件趨勢分析」(中国語)を参照。

 

本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。

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