2020年第4四半期の知財統計情報
2021/02/02 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-885460-883bf-1.html
2020年第4四半期における三種類の専利出願件数(特許、実用新案、意匠を含む)は19,389件(前年同期比4%減)となった。商標登録出願件数は24,591件(前年同期比9%増)となり、台湾人による出願件数が前年同期比16%増となったことが主因で2019年第2四半期以降、台湾人による出願件数はいずれもプラス成長になった。特許出願においては、台湾積体電路製造(TSMC)及びクアルコムが台湾法人、外国法人の出願人中トップとなった。このほか、台湾中小企業による特許出願件数は11四半期連続のプラス成長となり、高等教育機関も15%以上の増加となり、顕著な成長ぶりを見せた。
一、専利出願の動向
(一) 台湾中小企業の特許出願件数が11四半期連続のプラス成長
台湾企業全体の特許出願件数は前年同期比微増となり、件数では台湾人による特許出願件数全体の72%を占めた。そのうち、中小企業件数が14%増で、各四半期の前年同期と比較すると、すでに11四半期連続のプラス成長となり、中小企業のイノベーション研究開発能力が徐々に上昇し、その競争力の強化に対し積極的で前向きな意義があることを示している。出願人について、特許は台湾積体電路製造(TSMC)が332件と最も多く、第4四半期でいうと、6年連続の台湾法人の1位となった。また、意匠については、宏碁(ACER)が32件で最多となった。
(二) 国立清華大学の特許出願件数は高等教育機関におけるトップ
台湾の高等教育機関における特許出願件数は前年同期比15%増となり、出願人中、国立清華大学が特許出願件数42件で再び1位に返り咲いた。特許出願件数では、2015年以降の各四半期の最高となり、私立大学では遠東科技大学が27件で最多となった。該大学は特許出願件数上位10大学において、唯一の私立大学となった。このほか、国公立・私立大学の2020年第4四半期における特許出願件数はいずれも前年同期を上回り、高等教育機関における特許出願件数の割合では、国公立大学が63%まで上昇した。
(三) 工業技術研究院の特許出願件数はその他の研究機関をリード
台湾の研究機関による特許出願件数合計は前年同期より減少となった。そのうち、工業技術研究院(ITRI)の出願件数は183件で最も多く、次いで金属工業研究発展中心(MIRDC)の58件であった。
(四) 外国人による特許及び意匠出願件数のトップはそれぞれクアルコム、ダフ・トラックス
外国人による特許及び意匠出願を国籍別でみると、いずれも日本の出願件数が最も多く、それぞれ2,929件及び279件となり、実用新案では中国が179件で最多となった。出願人では、特許では米国クアルコムが203件で再び1位の座を占め、意匠ではオランダのダフ・トラックスが68件で最多となった。
二、今期の商標出願の動向
(一) 台湾人による出願件数が7四半期連続プラス成長
商標登録出願件数は24,591件(31,422区分)で、前年同期比9%増となった。そのうち台湾人出願件数は18,834件(前年同期比16%増)、外国人出願人は5,757件でマイナス成長となった。各四半期と前年同期と比較してみると、台湾人による出願件数は2019年第2四半期以降7四半期連続のプラス成長となり、且つ直近の3四半期では成長幅が12%~30%となった。
(二) 台湾人による出願の上位5区分件数はいずれも急成長
台湾人による第35類(広告、企業経営及び小売・卸売等の役務)への出願件数は3,489件と最も多く、上位5区分の成長率はそれぞれ14%~26%で、そのうち第5類(薬品等)は前年同期比26%増となり増加幅は最大となった。台湾人出願人では統一企業が306件で1位となった。
(三) 外国人による出願件数は第9類が最多
外国人出願人を国籍別でみると、米国が出願件数1,162件と最も多かった。区分でみると、外国人による出願件数では第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)の1,151件が最も多かったが、第5類(薬品等)は上位5区分で唯一成長した区分となった。出願人別では、アップルが45件で最多となった。
2020年第4四半期季報は、下記リンク先の知的財産局サイトの「統計季報」を参照。
www.tipo.gov.tw/tw/lp-167-1.html (中国語:109年第4季)
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。