知的財産局公布の2020年専利出願ランキング上位100社
2021/03/10 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-887455-6e0fc-1.html
経済部智慧財産局は2020年の専利出願及び証書発行の統計ランキングを発表した。三種類の専利(特許、実用新案、意匠)出願において、台湾法人では台湾積体電路製造(TSMC)が1,096件と5度目の1位となり、外国法人ではクアルコムが720件で1位に返り咲いた。三種類の専利の証書発行数については、台湾積体電路製造(TSMC)が680件、中国創新先進技術公司が588件でそれぞれ台湾法人及び外国法人のトップとなった。このほか、高等教育機関上位100の特許出願件数は前年比24%増となった。
一、 台湾法人の専利出願ではTSMCが5度目の1位
台湾法人においては、TSMCが2016年から5年連続の専利出願件数1位となり2020年には再び1,000件を超え、宏碁(ACER、523件)、友達(AUO、466件)がこれに続いた。瑞昱半導体(REALTEK、420件)及び仁宝電脳(COMPAL、209件)の出願件数は2001年以来の最高となり、それぞれランキング4位、9位となった。英業達(INVENTEC、236件、7位)、鴻海(FOXCONN、231件、8位)もそれぞれ前年比27%増、同16%増となった。
台湾の三種類の専利における上位100社の出願構成から考えると、企業が台湾のイノベーション研究開発の推進力となっており、2020年のランキング上位100の企業による出願件数の多くは特許に集中し(構成比78%)、実用新案、意匠の出願件数は増加傾向で、それぞれ前年比19%増、同29%増となった。
二、 台湾の銀行8行が100位内にランクイン:台湾土地銀行が銀行でのトッ
プ、華南銀行は特許出願件数が最多
台湾の銀行8行が100位内にランクインし、その専利出願件数合計は736件(前年比18%増)で3年連続のプラス成長となり、台湾土地銀行(133件)が銀行でのトップとなった。このほか、ランキング上位100社の銀行による特許出願件数合計は224件(前年比8%増)となり、そのうち華南銀行が43件で最多となった。
三、 成功大学が高等教育機関における特許出願件数のトップ、台大、清大、交大がいずれも2桁成長
台湾法人による三種類の専利出願件数ランキング上位100社に27の高等教育機関がランクインした。台北城市科技大学は181件で初の高等教育機関1位となりその出願は実用新案(174件)を中心に上位10にランクインした。特許でみると、国立成功大学(109件)が台湾の高等教育機関の1位を占め、国立清華大学(102件)、国立交通大学(86件)、国立台湾大学(82件)がこれに続き、いずれも前年比10%~64%の成長となった。
四、 工業技術研究院の特許出願件数は各研究機関のトップ
研究機関においては、台湾法人による3種類の専利出願ランキング上位100社に5つの機関がランクインした。ランキング5位の工業技術研究院(ITRI、352件)は、各研究機関の首位に落ち着き、次いで財団法人金属工業研究発展中心が97件となった。
五、 クアルコムが外国法人の専利出願1位に返り咲き
外国法人上位10社において、クアルコムが720件で首位に返り咲き、前年比24%増となった。半導体設備メーカーが3社ランクインし、そのうちアプライド・マテリアルズ(652件)、東京エレクトロン(460件)がそれぞれ2位、4位となり、DISCO(291件、6位)は件数においてもここ10年の最高となった。このほかメモリ産業のキオクシア(338件)は5位に浮上した。フォード・グローバルも243件で初の外国法人上位10社にランクインした。
2020年外国法人による三種類の専利出願件数ランキング上位100社の出願件数は、その多くを特許が占め、全体の87%となった。また、特許、意匠は前年比マイナス成長となったが、実用新案は同11%増となった。
知的財産局公布の2020年専利出願ランキング上位100社の関連図表・統計については、上記リンク先知的財産局サイトの檔案下載「圖表_知的財産局公布109年專利百大排名」(中国語)を参照。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。