知的財産局が受理した2020年度の専利・商標出願概況
2021/03/10 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-887608-24507-1.html
2020年に知的財産局が受理した専利(特許・意匠・実用新案)出願件数は72,238件(前年比3%減)で、そのうち特許が46,664件(前年比3%減)、意匠が8,019件(前年比9%減)となり、実用新案は17,555件で前年横ばいとなった。また商標登録出願件数は94,089件(119,660区分)で、1999年以来の最高を記録した。審査実績においては、特許及び商標の平均審査終結期間はそれぞれ13.9カ月、6.5カ月を維持し、出願人に迅速で良質な審査サービスを提供している。
一、 台湾人出願人による特許出願件数は2014年以来の最高となり、企業・高等教育機関はいずれも増加
台湾人出願人による特許出願件数は19,012件で2014年以来の最高を記録した。これは、企業が前年比1%増加(そのうち中小企業の件数は17%増の大幅成長)となり、高等教育機関も前年比16%増となったことが要因であり、実用新案件数は16,445件(前年比0.2%の微増)となった。また、外国人による特許、実用新案、意匠出願件数はそれぞれ27,652件、1,110件、4,072件といずれもマイナス成長となった。
二、 日本が外国人による専利出願件数のトップ
専利出願人を国籍別でみると、日本が引き続き外国人のトップとなり、3種類の専利(特許、実用新案、意匠)の出願件数は13,247件となった。次いで米国(7,358件)、中国(3,761件)となり、ドイツは1,165件で5位に返り咲いた。専利別でみると、特許及び意匠の出願件数はいずれも日本がトップで、実用新案は中国が最多となった。
三、 台湾人による出願件数が大幅増、商標登録出願件数は過去最高を記録
商標では、台湾の商標登録出願受理件数(案件による計算)は94,089件で、1999年以来の最高を記録し、これは台湾人による出願件数が72,170件(前年比17%増)と大幅成長したことが主因で、外国人による出願件数は21,919件でマイナス成長となった。
台湾における商標登録出願件数の上位5国(地域)では、中国が4,575件で第1位となった。次いで日本の4,013件、米国3,814件となった。成長率でみると、米国が前年比5%増、中国、日本はマイナス成長となった。
四、 商標登録出願上位5大分野:台湾人による出願はいずれも2桁成長、外国人による出願は薬品類の増加幅が最大
台湾人による商標登録出願区分数は、第35類(広告、企業経営及び小売り・卸し等)が13,230件と最多で、上位5大分野はいずれも13~29%のプラス成長となった。台湾法人のうち、統一企業(749件)が最多で、次いで王品餐飲(284件)、悠遊卡公司(183件)となった。
外国人による商標登録出願区分数は第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)が4,389件と最も多く、上位5大分野は第5類(薬品等)の成長が最多で前年比3%増となった。外国法人のうち、ファーウェイが(121区分)で最も多く、資生堂(114区分)、花王(96区分)があとに次いだ。
五、 専利商標審査の安定的で効率的な審査終結時間の維持で、企業の迅速な産業ポートフォリオ展開の一助に
知的財産局は全力で審査にあたり、積極的に効率アップを図り、特許の平均審査終結期間を14カ月以内に維持したほか、商標については6.5カ月と2009年以来の最短を記録し、特許及び商標審査待ち案件数を4.9万件レベルに維持し企業が速やかに権利を取得し、産業ポートフォリオを展開するための一助となった。
知的財産局公布の109年(2020年)度専利商標出願概況の詳細については、上記リンク先の知的財産局サイトの檔案下載「圖表_知的財産局公布109年受理專利商標申請概況」(中国語)を参照。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。