2023年第1四半期の知的財産権動向
2023/05/15 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-922164-d6227-1.html
2023年第1四半期における特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は17,226件で前年同期比2%減となり、そのうち特許出願件数は12,486件で前年同期比横ばいとなり、商標登録出願件数は21,494件で前年同期比4%減となった。特許出願においては、台湾積体電路製造(TSMC)が出願件数752件で台湾法人での1位となり、外国法人ではアプライド・マテリアルズが182件で1位となった。商標登録出願は、台湾人・外国人別でそれぞれ統一企業が102件、上汽通用五菱汽車(SGMW)が84件で最多となった。
<専利出願>
外国人による意匠出願件数は前年比6%増
台湾が出願受理した特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は17,226件で、全体で前年同期比2%減となった。そのうち、件数が最も多かった特許は12,486件で、前年同期比0.4%微減となり、台湾人による出願件数(4,637件)及び外国人による出願件数(7,849件)の件数の変化は大きくなかった(表1参照)。また、意匠出願件数は1,654件で前年同期比1%増となり、主に外国人による出願件数が前年同期比6%増となったが、実用新案の出願件数は減少した。
台湾人による特許及び意匠出願件数はそれぞれTSMC及びACERが最多
台湾人出願人による特許出願件数上位10社では、TSMC(752件)が各四半期における件数1位を記録し、第1四半期でいうと、既に4年連続の1位となり、聯發科(MEDIA TEK、146件)は前年同期比121%増となり、増加幅が最大となった(図2参照)。また、群創光電(INNOLUX、101件)の出願件数は初めて100件を突破し、四半期における過去最高を記録した。意匠出願件数上位5社のうち、宏碁(ACER)は出願件数24件で1位をキープし、螞蟻創意(ANT DESiGN)及び和太(12件)はいずれもはじめての出願で出願件数上位5社にランクインした(図3参照)。
台湾企業及び研究機関の特許出願件数はいずれもプラス成長
台湾人出願人による特許出願件数では、企業(3,817件)及び研究機関(83件)がそれぞれ前年同期比2%増、同9%増となり、高等教育機関(341件)は前年同期比減となった。
企業による特許出願件数は、大企業(3,162件)がプラス成長へ転じ、中小企業(655件)は前年同期比減となった。高等教育機関においては、国立成功大学及び国立陽明交通大学がいずれも26件で高等教育機関でのトップとなった。また、長庚科技大学(15件)は私立大学における1位で、出願件数は前年同期比275%増と成長が最も速かった(表2参照)。研究機関においては、工業技術研究院(ITRI、42件)がその他の出願人をリードした(表3参照)。このほか、金融三業(34件)は前年同期比3%減となり、兆豊国際商業銀行(6件)が最多となった(表4、図4参照)。
外国人出願人による特許及び意匠出願件数はそれぞれアプライド・マテリアルズ及びフォードグローバルがトップ
外国人出願人による特許出願件数は7,849件で、前年同期比横ばいとなり、日本(3,504)が最多となり、その他の国(地域)をリードした(表1、図1参照)。また、出願件数上位10社のうち、米国アプライド・マテリアルズ(182件)が9年の期間を経て1位に返り咲き、中国西安奕斯偉(XI’AN ESWIN MATERIAL TECHNOLOGY、127件)及び米国META PLATFORMS TECHNOLOGIES(90件)はそれぞれ6位及び7位となり、いずれも過去最高の結果となり、前者は四半期における過去最高も記録した。韓国の韓領(COUPANG CORP.、67件)は前年同期比168%増となり、成長が最も大きかった(図2参照)。
また、意匠出願件数上位5社のうち、米国フォードグローバルが49件で最多となり、米国アップル(36件)は基準となる前年件数が比較的低かったことから、前年同期比3,500%増となり、オーストラリアの菲尼克斯(PHOENIX、24件)は初の上位5社へのランクインとなったほか、日本ソニーは16件で過去最高を記録した(図3参照)。
<商標登録出願>
商標登録出願件数は減少
商標登録出願受理件数は21,494件(27,096区分)で、基準となる前年件数が比較的高かったことから、前年同期比4%減となった。台湾人による出願件数(16,750件)及び外国人による出願件数(4,744件)はいずれもマイナス成長となった(表1参照)。
統一企業が台湾人による商標登録出願件数におけるトップ
台湾人による出願件数上位10社においては、多くがプラス成長となり、統一企業(UNI-PRESIDENT ENTERPRISES CORP.)が出願件数102件で、前年同期と同じく1位となり、また上位10社の半数は前年同期で未出願であった(表6参照)。台湾人による出願区分では、第35類(広告、企業経営及び小売・卸売役務等)が3,429件で最多となった(図5参照)。
上汽通用五菱汽車が外国人による商標登録出願件数における最多
外国人出願人による商標登録出願においては、中国が1,099件で最多となった(図1参照)。出願件数上位10社の出願件数はいずれもプラス成長となり、中国上汽通用五菱汽車(SGMW、84件)が1位となり、7社にも及ぶ出願人が前年同期で未出願であった(表7参照)。外国人による出願区分では、第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)が921件で最多となった(図5参照)。
台湾人、外国人による商標出願件数は、「農業食材」及び「技術研究」産業に集中
産業においては、台湾が受理した商標登録出願は「農業食材」(5,843件)が最多で、次いで「健康医療事務」(4,488件)及び「商業金融」(4,484件)等であった(図6参照)。台湾人出願人が積極的に出願したのは「農業食材」(4,901件)産業で、主にレストラン及び宿泊の商標に集中している。外国人出願人による出願件数では、「技術研究」(1,478件)産業が多かった(図7参照)。
2023年第1四半期の知的財産権趨勢図表は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)を参照。(中国語:智慧局公布112年第1季智慧財産權趨勢-圖表)
(2023.05.03 智慧局ニュース全訳)
1-2 「専用権放棄声明の審査基準」改訂草案の公告
www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-922208-73400-1.html
専用権放棄(不専用)声明制度が施行されて久しく、現在のインターネットマーケティング等の新形態のビジネスモデルが生み出され、商標の表現形式及び使用形態も多様化も大きく変化し、商標が商標権の範囲に疑義を生じるおそれがあるか否かの判断について、実務上認定し難くなってきたことを鑑み、また、2022年9月1日の商標識別性審査基準の改訂に合わせて、「専用権放棄声明の審査基準」改訂草案を起草した。改訂ポイントは以下のとおり。
(1) 商標図案において識別性を有しない部分について「商標権の範囲に疑義を生じるおそれがある」か否かの考慮要素を明文化:
1. 図案中の識別性を有しない部分が、指定商品又は役務に関する説明であるが、出願人が創り出したもの、又は業者が使用することが稀な文字の組合せで、出願人が当該部分について単独で権利主張することができると誤解する可能性があり、かつ、消費者及び競業他社が商標図案中の当該部分が商標権を取得できるか否かに疑義を生じやすい場合には、専用権放棄の声明をしなければならない。
2. 説明性及び慣用名称以外のその他識別性を有しない標識、例えば、氏名、標語(キャッチフレーズ)、成語、流行語等の説明性を有しない文字で、業者が通常好んで使用するもの、又はその専用を取得したいと思うもので、これらの標識が識別性を有しないと判断された場合、出願人が当該部分について権利を主張することができると思わないよう、原則的に専用権放棄の声明をしなければならない。
3. 2つ以上のアラビア数字、型番、記号等が識別性を有しないと認定された場合、原則的には専用権放棄の声明をしなければならない。ただし、数字の説明的意図が明確である場合(例:規格、数量、時間、年代等)で、かつ、業界が常用するものである場合、商標権の範囲に疑義を生じるおそれがないと認定できる場合はこの限りではない。
4. 識別性を有しない部分が図案の中で表示されている位置、フォントサイズ又は占める割合が、出願人に当該部分について商標権を取得したいと思わせる可能性があると判断した場合(例:商標図案中の識別性を有しない部分が、デザインにより、特別に大きく、又は目立つものになり、当該部分の文字又は図形が権利取得できるか否かについて疑義を生じるおそれがある場合)、専用権放棄の声明をしなければならない。
(2) 専用権放棄声明が必要ない状況の明確化:
1. 図案中の識別性を有しない部分が、本局が公告した「専用権放棄をする必要がない例示事項」である場合、商標権の範囲に疑義を生じるおそれがないこととなり、専用権放棄の声明をする必要はない。
2. 審査時に関連する証拠が、識別性を有しない事項がすでに同業及び公衆で指定商品又は役務において経常的に使用されている、又は商品又は役務の特性を分かりやすく描写しただけで、商品又は役務を直接明らかに説明したものであり、商標権者及び同業者がいずれも商標権の範囲に疑義を生じるおそれがない場合、専用権放棄の声明をする必要はない。
(3) 数字、標語(キャッチフレーズ)、成語、流行語等の識別性を有しない事項が、専用権放棄の声明をすべきか否かの判断原則について、事例を挙げて説明。特に、市場でよく見受けられる祈願的、又は宣伝的広告用語、又は数字について、消費者及び競業他社が商標権者に対し、当該用語又は数字の専用権を取得していないことについて疑義を生じない場合、専用権放棄を声明する必要はない。
(4) 会社名称、ドメイン又は説明性の図等のビジネス上の純粋な情報的事項で、商標の一部に属さない部分は、登録出願する商標権の範囲を明確にするため、削除しなければならず、これについても実務事例及び説明を追加した。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。