最高裁2023年度台上字第9号
2023/10/04 IP 判決本件は、自動車を製造・販売している大手企業が非純正品の製造・販売事業者に対して提起した意匠権侵害訴訟である。部品メーカーは完成品メーカーからライセンスを拒否された経緯があり、「独占的地位の濫用」など公平交易法違反の主張も行ったが、第一審、第二審ともに被告の主張を否定し、損害賠償請求を認めた。本件は、その上告審であるが、第二審が侵害の根拠とした検証の結果が、検証調書に記載されていないことについて、「裁判官による検証は、証拠の調査方法の一つであり、裁判所の書記官が検証の結果を調査証拠の調書に記録するべきである。必要な場合には、図や写真を調書に添付するべきである。・・・検証の結果を調書に記録しておらず、当事者に弁論を行わせていないままで、当該検証結果に基づき、判決することには、法的な瑕疵がある。」として、原判決を破棄し、原審に差し戻した。
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