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知的財産裁判所2014年度行商訴字第1号審決

2014/04/24 IP 判決

原告  三井日本料理餐廳有限会社

被告  経済部知的財産局

 

主文:

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

 

事実:

1.     原告は2010年11月19日に「三井」という商標(以下係争商標という)を改正前の商標法施行細則第13条の指定商品・役務分類表による第35類の「食品の小売り、飲料の小売り、農産物の小売り、水産物の小売り、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネットウエブサイトにおけるショッピングモール事業運営」を指定役務として被告に登録出願した。

2.     被告の審査により、係争商標は訴外人である三井物産株式会社(以下三井会社という)の「三井」、「三井物産」、「MITSUI及び図」などの商標と類似であり、また指定・使用商品は関連性があると認められた。引用商標は係争商標の登録出願前に既に広く関連業者または消費者に認識され著名とは言え、係争商標は関連公衆に混同誤認させる恐れがあるため、2013年6月18日に商標拒絶査定第347614号決定書で拒絶査定が下された。

3.     原告は不服で訴願を提起したが、経済部2013年11月6日に訴字第10206708220号決定書で棄却されたため、本裁判所に行政訴訟を提起した。

 

判決の旨:

1.引用商標は著名商標

引用商標の権利者となる三井会社は日本著名企業グループの一つであり、該グループの所属会社は「三井」及び「三井」の日本語読みのローマ字表記である「MITSUI」をグループの標識とする。同社は生産・製造の商品を幅広く世界中に販売するほか、1952年に台湾にも支社を設立し、金属、機械、化学、食料、生活産業などの部門を設け、主に各種の投資及び化学、石油化学、金属、建設、造船、食料などの製品の輸出入に携わり、今まで53年間の歴史もある。即ち、引用商標の権利者は世界中及び台湾で各種の投資及び食料などの商品の輸出入に関する事務に携わり、社名の重要部分である「三井」、「MITSUI」、「MITSUI及び図」が母国である日本では登録され、著名商標として保護されている。また、台湾でも第785530、789117、795891、797442、800442、806750、97461、98640号の8件を含めて20数件の「MITSUI及び図」の商標登録が認められている。

更に、引用商標の出願人は、雑誌「Fortune」による世界トップ500の20位、2003年と2004年の「天下マガジン」によるサービス・輸出入貿易ランキングの24位と15位、2005年の「中華興信所」による輸出入貿易ランキングの26位になり、年間売上高が50億を超えた。

上記によると、引用商標は、係争商標の2010年11月19日の登録出願時、その名誉及び品質が既に関連業者及び消費者に認識され、著名商標となった。そのことについては、経済部の訴字第09906054220号決定書、訴字第09906054180号決定書、訴字第09906055140号決定書、訴字第09906053390号決定書、台北高等行政裁判所2005年訴字第2015号判決、及び本裁判所2011年度行商訴字第141号判決、2011年度行商訴字第145号判決、2011年度行商訴字第146号判決でも同じ趣旨が認められた。

2.二商標は類似度の高い類似商標

 原告の出願した係争商標は単なる横書きの中国語文字「三井」で構成され、引用商標の「三井物産」、「三井農林」、「三井銘茶」及び「MITSUI及び図」などと比較してみれば、両者ともに「三井」の文字、又は「三井」の日本語読みのローマ字表記の「MITSUI」があり、二商標が消費者に与える観念は同一だから、時と場所を異にして係争商標と引用商標を全体で観察するとき、弁別し難く、消費者が普通に注意するときは二商標を同一出所又は同一ではないが関連のある出所と誤認する可能性があるから、二商標は類似度の高い類似商標というべきである。

3.二商標の指定商品は関連性あり

 係争商標の指定役務は「食品の小売り、飲料の小売り、農産物の小売り、水産物の小売り、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネットウエブサイトにおけるショッピングモール事業運営」であり、引用商標の指定商品・役務と比較してみれば、両者は食品、食料、飲料の小売り又は関連のある商品または役務の輸出入において類似な部分がある。社会通念及び市場取引状況から見れば、係争商標の指定役務は引用商標の指定商品・役務に相当な関連性がある。

4.係争商標と引用商標は類似し、また全体的な外観も観念も同一の「三井」、「MITSUI」があることから、類似度が高い。引用商標は係争商標の登録出願前既に広く関連業者または消費者に認識された著名商標とは言える。また、係争商標の指定役務と引用商標の指定商品・役務とは相当な関連性があることなどを綜合的に判断すると、原告が「三井」を商標として、「食品の小売り、飲料の小売り、農産物の小売り、水産物の小売り、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネットウエブサイトにおけるショッピングモール事業運営」を指定して登録出願することは、関連公衆に二商標の役務は同一出所によるシリーズサービス、若しくは使用人の間に関連企業、受諾関係、加盟関係又は他の類似関係があると誤認させ、混同誤認させる恐れがある。従って、係争商標が商標法第30条第1項第11号前半に該当し、訴願決定及び原処分を取消す原告の理由は成り立たず、その請求は棄却すべきである。

經通國際智慧產權事務所

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