2024年第2四半期の知的財産権趨勢
2024/07/30 IP 統計2024.07.30 2024年第2四半期の知的財産権趨勢
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-971420-59e07-1.html
1. 専利・商標全体の出願動向
2024年第2四半期に台湾が受理した特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は17,683件で前年同期比2%増となり、そのうち特許出願件数は11,988件、実用新案出願件数は3,766件、意匠出願件数は1,929件となった。台湾人による三種類の専利(特許、実用新案、意匠を含む)の出願件数が全体に占める割合は51%、外国人出願人の割合は49%となった。台湾人出願人は昨年(2023年)同期比2%減であったが、外国人出願人は6%増となり全体で2%増となり、直近2年の第2四半期における三種類の専利出願件数は小幅上昇している(図1参照)。
また、受理された商標登録出願件数は23,885件(29,387区分)で、前年同期比3%増となり、そのうち台湾人が77%を占め、外国人は23%であった。直近2年の第2四半期における出願件数を見てみると、今年はプラス成長に転じた(図2参照)。
2. 台湾人出願人による専利出願概況
(1) 特許出願件数上位10出願人
台湾人出願人による特許出願件数は4,699件で、そのうち企業が3,734件となった。特許出願件数上位10位の出願人は、台湾積体電路製造(TSMC)が出願件数308件で第1位、次いで南亜科(NANYA)が136件、友達光電(AUO)が114件、英業達(INVENTEC)が90件、群創(INNOLUX)が80件、宏碁(ACER)が74件、瑞昱(REALTEK)が70件、聯電(UMC)が65件、聯發科(Media Tek)が49件、台達電(DELTA)が45件となった(図4参照)。TSMCは2017年第2四半期から連続8年で首位となっている。
(2) 意匠出願件数上位5出願人
台湾人出願人による意匠出願件数は855件で、出願件数上位5出願人について、樹徳科技大学が22件で第1位となり、次いで聯府塑膠(KEYWAY)が16件、仁寶(COMPAL)が15件、統亜電子科技が14件、台達電(DELTA)と萬能科技大学がいずれも13件となった(図5参照)。
(3) 高等教育機関による特許出願件数上位10出願人
台湾の高等教育機関による特許出願件数は436件で、出願人上位10位について、国立勤益科大が33件で1位となり、次いで国立成功大学が30件、国立台湾大学が26件、国立清華大学が19件、国立陽明交通大学が18件、樹徳科技大学が16件、台北医学大学が15件、長庚科技大学と崑山科技大学がいずれも14件、国立中興大学と国立中山大学がいずれも13件となった(表1参照)。
(4) 研究機関及び国営事業による特許出願人
台湾の研究機関による特許出願件数は95件で、出願人上位3位について、工業技術研究院(ITRI)が36件、国家原子能科技研究院(NARI)が11件、財団法人紡織産業総合研究所(TTRI)が9件となった(表2参照)。台湾の国営事業による特許出願件数は10件で、台湾金融ホールディングスが7件で最多となった。
3. 外国人による専利出願概況
(1) 特許出願件数上位10出願人
外国人出願人による特許出願件数は7,289件で、出願人上位10位のうち、米国のアプライド・マテリアルズ(Applied Materials)の出願件数は208件で1位に返り咲き、その他は順に韓国のサムスン電子(SAMSUNG)が202件、米国のクアルコム(Qualcomm)が191件、日本の東京エレクトロンが128件、韓国の韓領が108件、日本のSCREENと日東電工がいずれも90件、日本の信越化学が73件、米国のLam Researchが69件、オランダのASMLが67件となった(図4参照)。
(2) 特許出願人の国籍分析
特許出願上位5か国(地域)について、日本は出願件数2,726件で1位となり、次いで米国の1,696件、中国の864件、韓国の677件、及びドイツの255件となった(図3参照)。そのうち、中国とドイツの件数の成長率が10%を超えており、急速な成長を見せた。
(3) 意匠出願件数上位5出願人
外国人出願人による意匠出願件数は1,074件で、出願件数上位5出願人については、中国の浙江智馬達(smart Automobile)が72件で最も多く、次いで米国のFord Global Technologiesが48件、ドイツのBMWが34件、米国のMOLEXと中国の明門幼童用品がいずれも29件となった(図5参照)。そのうち、中国の浙江智馬達(smart Automobile)は初めて上位5位にランクインした。
(4) 意匠出願人の国籍分析
意匠出願件数上位5か国(地域)について、日本が出願件数248件で最も多く、次いで米国が234件、中国が223件、スイスが97件、ドイツが75件となった(図3参照)。そのうち、米国の出願件数は今季、スイスと中国を上回り第2位に躍進した。
4. 商標登録出願概況
(1) 台湾域内の商標登録出願上位10出願人
台湾域内の商標登録出願件数上位10出願人について、山邊媽祖宮が131件で1位となり、次いで遠雄巨蛋が100件、夠電科技が95件、蔡合旺事業と統一企業がいずれも78件、高嘉佑が54件、第一銀行と寶元紀生活がいずれも50件、神通資訊が44件、南一書局が40件となった(表3参照)。
(2) 台湾人による出願の区分
台湾人出願人による出願上位3区分について、順に第35類(広告、企業経営等)が3,518件、第43類(レストラン、宿泊施設等)が1,779件、第30類(コーヒー・茶及びケーキ等)が1,631件となっており(図6参照)、台湾企業における商標登録出願の多くが、企業経営及び民生消費に関する飲食、宿泊サービスとコーヒー・ケーキ等の商品区分に集中していることが分かる。
(3) 台湾域外の商標登録出願件数上位10出願人
台湾域外の商標登録出願件数上位10出願人について、イギリス領バージン諸島の富爾康(FULL COMFORT)が68件で1位となり、次いで中国のファーウェイ(HUAWEI)が62件、中国の浙江卡游文化ラジオが33件、ケイマン諸島の騰訊控股(TENCENT)が32件、中国の浙江図森定制家居とスイスのAbercrombie & Fitchがいずれも30件、中国の南陽鴻豊電気科技が28件、シンガポールの藍色起源管理諮詢(BLUE ORIGIN MANAGEMENT CONSULTANT)が26件、香港の初衣食午(ONEFIFTEEN)が22件、日本の資生堂が21件となった(表4参照)。
(4) 外国人出願人の国籍分析
商標登録出願件数上位5か国(地域)について、中国が1,528件と最も多く、次いで日本905件、米国726件、韓国438件、香港344件となった(図3参照)。
(5) 外国人による出願の区分
外国人による出願件数上位3区分について、第9類(コンピューター及びテクノロジー製品)が1,021件、第3類(化粧品、洗浄剤等)と第35類(広告、企業経営等)がいずれも634件、第5類(薬品等)が507件となった(図7参照)。そのうち、第9類のコンピューター及びテクノロジー商品が台湾における外国人による商標登録出願の太宗を占めた。
(6) 産業別分析
台湾が受理した商標出願において、「農業食材」が6,172件で各産業を遥かに超えて1位となり、次いで「健康医療事務」4,728件、「商業金融」4,661件となった(図8参照)。
上位3位の産業における商標登録出願については、台湾人出願人は「農業食材」産業(5,096件)に集中しており(図9参照)、主にレストラン及び宿泊施設の商標件数が比較的多かった。外国人出願人では「技術研究」産業が1,605件で最多であった(図10参照)。このほか、台湾人出願人と外国人出願人のいずれも「健康医療事務」で共にプラス成長しており、外国人出願人では「服飾アクセサリ」の件数が27%増加した。
注:上述の統計データは、その出願人及び国籍ランキングにおいて出願の「第1出願人」を計算の基礎とする。
2024年第2四半期の統計は、下記リンク先の智慧局サイト(https://www.tipo.gov.tw/tw/lp-167-1.html)の「四半期統計」を参照(中国語:「季統計」、「113年第2季」)。
※本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです。