2022年第1四半期の知的財産権動向
2022/05/13 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-905018-d9369-1.html
2022年第1四半期における特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は17,498件で前年同期比2%増となり、商標登録出願件数は24,450件で前年同期比0.3%増となった。特許出願においては、台湾の高等教育機関の出願件数が前年同期比16%増となり研究開発力が豊富であるといえる。また、外国人による出願件数が前年同期比10%増と積極性がみられた。特許出願人において、台湾法人では台湾積体電路製造(TSMC)が出願件数723件で1位となり、外国法人ではクアルコムが242件で最多となった。商標登録出願は、「農業食材」産業が最も多く、台湾人は「農業食材」産業への出願件数が最も多く2年連続のプラス成長となり、外国人は「技術研究」への出願件数が最も多く顕著な成長を見せた。商標登録出願人において、台湾法人では統一企業が出願件数220件でトップとなり、外国法人では廣東龍順國際物流が76件で最多となった。
<専利出願>
特許出願件数はプラス成長
台湾が出願受理した特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数のうち、特許は12,534件で最多となり、前年同期比5%増とプラス成長となった。これは外国人出願人による出願件数が10%増加したことが主因であり、台湾人出願人による出願件数は4,697件と前年同期比微減となった。意匠の出願件数は1,636件で、台湾人出願人による出願件数は前年同期比0.4%増、外国人出願人による出願件数は減少した(表1参照)。
TSMC及び宏碁が台湾法人による特許及び意匠出願件数で最多
台湾企業全体の特許出願件数は3,745件で、前年同期比2%減となり、これは中小企業の出願件数(748件)が前年同期比減となったことが主因で、大企業では出願件数が2,997件で前年同期比横ばいとなった(図2参照)。
台湾人出願人による特許出願件数上位10社及び意匠出願件数上位5社はいずれも企業であり、企業全体の特許出願件数は減少したものの、出願件数上位10社のうち6社は依然として出願件数が二桁成長となった。そのうち、TSMCの出願件数は723件で、その他の出願人を大きくリードし、その件数は本局が2012年から四半期統計の公布をして以来の同社最高となった(図4参照)。また、群創(INNOLUX)及び南亜科(NANYA)はいずれも出願件数98件と過去最高を更新し見事な成果を収めた。また、意匠出願件数においては、宏碁(ACER)及び皇冠金属工業(THERMOS)がそれぞれ18件で1位となり(図4、図5参照)、出願件数上位5社のうち、台達電(DELTA、17件)及び聯府塑膠(KEYWAY、14件)は飛躍的な成長となった。
台湾の高等教育機関による特許出願件数が16%のプラス成長
企業のほか、台湾の高等教育機関も特許出願件数371件(図2参照)で前年同期比16%増となり、出願件数上位10校の多くが前年同期比二桁以上の成長率となったことが主因である。出願人において、国立清華大学が特許出願件数35件で高等教育機関における1位となったほか、私立大学では崑山科技大学が出願件数16件で最多となり、高等教育機関における特許出願件数上位10校に唯一ランクインした私立大学でもある(表2参照)。
また、研究機関の特許出願件数は76件で(図2参照)、前年同期比減となったが、そのうち、工業技術研究院(ITRI)は出願件数40件で最多となった(表3参照)。金融三業(銀行、保険、証券)において、特許出願件数は35件(表5参照)で、兆豊国際商業銀行が12件で最多となった(図7参照)。
外国人出願人による特許出願件数は10%増
外国人出願人による専利出願は特許が中心で、特許出願件数7,837件、前年同期比10%増となった(表1参照)。台湾で特許ポートフォリオを展開する国(地域)において、日本が3,555件で最多となり、出願上位5カ国(地域)の件数はいずれも前年同期比増となり、そのうち米国及びドイツはいずれも二桁成長となり積極性がみられた(図3参照)。また、意匠登録出願件数は859件で、日本人出願人の251件が最多となった(図3参照)。
クアルコム及びPSAがそれぞれ外国人出願人による特許及び意匠出願件数の最多
外国法人出願上位10社のうち、特許の出願件数においてはクアルコムが242件で最も多く、成長率ではインテルが前年同期比914%増とその他の出願人を大幅にリードした(図4参照)。意匠においては、PSAが38件で1位となり、成長率ではBMWが前年同期比88%増(30件)で最も顕著な成長となった(図5参照)。
<商標登録出願>
商標登録出願件数が小幅な成長
商標登録出願件数は22,450件で、前年同期比0.3%微増(30,024区分、前年同期比4%増)となった。台湾人による出願件数は17,358件、前年同期比2%増となり、外国人による出願件数は5,092件で前年同期比減となった(表1、図8参照)。
また、台湾人による商標登録出願件数の商標総出願件数全体に占める割合は77%で前年同期比1%増となり、出願件数及び割合は直近3年において年々上昇の傾向がみられる(図1参照)。
統一企業が台湾の商標登録出願件数におけるトップ
台湾人による出願類別において、第35類(広告、企業経営及び小売・卸売役務等)が3,501件と最も多く、前年同期8%増となった(図9参照)。出願人上位10社において、統一企業が出願件数220件、前年同期比358%増で、件数、成長率のいずれでもその他の出願人を遥かにリードした。(表6参照)。
廣東龍順國際物流が外国人による商標登録出願件数における最多
外国人全体の出願件数は減少しているものの、中国の出願件数(1,130件)及び成長率(10%)はその他の国(地域)をリードし、比較的積極的であった(図3参照)。区分別においては、第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)が1,208件で最多となり、第42類(科学及び技術性役務)の出願件数は前年同期比26%増と最も急成長した(図10参照)。出願人においては、中国の廣東龍順國際物流が出願件数76件で最多となった(表7参照)。
台湾人・外国人出願人による商標登録出願はそれぞれ「農業食材」及び「技術研究」産業に集中
産業においては、台湾が受理した商標登録出願は「農業食材」(6,346件)が最も多く、主に台湾人出願人(5,337件)(図11参照)によるもので、当該産業は台湾人及び外国人出願件数の差(4,328件)が最も多い産業でもある。
商標出願件数上位3産業のうち、「農業食材」及び「商業金融」の台湾人による出願件数はいずれも2年連続のプラス成長の趨勢が見られ、外国人による出願件数では「技術研究」及び「レジャー教育」が前年同期比プラス成長となった。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。