「無断引用」報道 「引用は無断でするもの」との指摘
2015/06/04 国際御茶ノ水女子大学に提出された卒業論文の大部分が盗用だったとして、大学は盗用に気付かなかった指導教授を厳重処分にしたことを発表。しかしそれを報じた記事の「無断盗用」という単語を巡り、これが誤用にあたるのではないかとの指摘が寄せられている。
問題となっている論文は、2013年3月に卒業した学生が提出したもの。論文は教授から最高評価を与えられ、書籍として市販されているが、読者からの指摘によって内容の3分の2が盗用だったことが判明し、大学は教授に処分を与えた。そしてこの件を報じた時事通信は、「無断引用」という単語を用いた。
しかしこの「無断引用」という単語を見ると、あらゆる引用には著者の許可が必要なように思われるが、“無断で”他人の著作物に書かれている内容を自分の作品や論文などに引用することは可能だ。
・どこから引用したのかを明確に記す
・引用した部分がはっきりと分かるようにカギカッコでくくったり、文字を斜体にする
・質的・量的に、自分の著作物が“主”であり、引用される文章はあくまでも“従”である
など、引用のルールは著作権法で定められており、それらを満たせば引用をすることは可能だ。
それゆえ、マイナビ新書のツイッターの非公式アカウントが、「『無断引用』という誤まった言葉をネットニュースが広めることにモヤモヤします」とツイートしたほか、一般ユーザーからも、
「『無断引用』って言葉は誤解されそう。(引用元を示す等のいくつかの要件を満たせば著者に無断で引用してもOK) この件は『盗用』ですね」
「記者は『無断引用』という表現に違和感を覚えないのか。引用に許諾はいらない。出典を記載するだけでいい。『剽窃』とでも言えばいいのに」
「記事の『無断引用』も表現がヘン。引用は通常すべて『無断』でやるもの」
といった声が登場。複数のネットユーザーが「無断引用」という単語に違和感を覚えようだ。
本文章は『アメーバニュース』から転載されたものです。