新着情報

You deserve to have all the best profession

コロナ状況下における2020年台湾特許出願の技術分野分析

2021/09/07 台湾

www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-896156-8df45-1.html

2020年に智慧局が受理した特許出願件数は43,921件で、台湾人出願人による出願件数は横ばいとなったが、外国人出願人による出願件数は前年比6.0%減となったことから、全体では前年比3.4%減のマイナス成長となり、韓国が前年比5.5%増のプラス成長となったほかは、日本、米国、中国、ドイツのいずれもが2%減~8%減のマイナス成長となった。技術分野では、「半導体」、「コンピューティングテクノロジー」が出願件数上位2位となったものの、「デジタル通信」を含め前年より出願数が大幅な減少となったことから、2020年における出願件数減少の主因となった。また、「医療技術」、「バイオテクノロジー」分野は2桁成長となった。

 

一、 台湾の特許出願件数においては、「半導体」、「コンピューティングテクノロジー」分野がそれぞれ1位、2位を占め、「医療技術」、「バイオテクノロジー」の成長が最多

台湾の特許出願の技術分野では半導体(4,775件)がトップとなり、コンピューティングテクノロジー(3,999件)がそれに次いだ。成長率においては、台湾は医療技術(1,496件)が前年比15.3%増で最高となり、バイオテクノロジー(1,020件)が前年比11.3%増でこれに次いだ。また、半導体、コンピューティングテクノロジー、デジタル通信(1,388件)分野はそれぞれ前年比13.3%減(-735件)、6.8%減(-291件)、21.1%減(-372件)、合計1,398件の減少となり2020年全体の減少件数(-1,536件)の9割を占めた(図1参照)。

 

台湾人出願人による出願件数上位2分野はそれぞれコンピューティングテクノロジー(2,329件)、半導体(1,952件)で、外国人出願人による上位2分野は半導体(2,823件)、コンピューティングテクノロジー(1,670件)となった。成長率でみると、台湾人出願人では医療技術(955件)が前年比28.7%増のプラス成長で最も顕著で、その他の特殊機械(495件)が前年比16.5%増、機械操作処理(433件)が前年比12.2%増、医薬品分野(327件)が前年比6.5%増となったが、コンピューティングテクノロジー、半導体、デジタル通信(509件)は前年比3%減~12%減となった。外国人出願人においては、バイオテクノロジー(840件)が前年比18.1%増で最高となったが、医薬品分野(864件)が前年比9.2%減、半導体、コンピューティングテクノロジー、デジタル通信(879件)が10%減~26%減となった(図2参照)。

 

二、 台湾積体電路製造が「半導体」分野における出願人のトップ、「コンピューティングテクノロジー」及び「デジタル通信」分野ではそれぞれ台湾の瑞昱半導体及び米国クアルコムがトップ

2020年のコンピューティングテクノロジー、半導体、デジタル通信分野における出願人トップはそれぞれ瑞昱半導体(REALTEK118件)、台湾積体電路製造(TSMC788件)、クアルコム(395件)となった(表1参照)。

 

さらに観察してみると、中国、米国、韓国のいずれもがコンピューティングテクノロジー分野のポートフォリオに重点を置き、中国は前年比27.7%増で最高となり、出願件数では初の米国越えとなった。半導体分野においては日本が外国人出願人による出願件数最多となった。デジタル通信分野においては、米国の出願件数の成長率が他国をリードし、前年比12.6%増となった。(図3参照)。

 

三、 台湾の大江生医が「医薬品」分野のトップ、「医療技術」及び「バイオテクノロジー」分野ではそれぞれ日本大王製紙、米国GENENTECKがリード

2020年の医療技術、バイオテクノロジー、医薬品分野における出願人トップはそれぞれ大王製紙(34件)、GENENTECK17件)、大江生医(40件)となった(表2参照)。

医療技術分野においては、外国人による出願件数成長率では日本が最高となり、前年比12.9%増となった。バイオテクノロジー分野においては、米国が出願件数でその他の国(地域)をリードし、日本、中国とともにポートフォリオを拡大し、成長率では前年比10%増~26%増となった。医薬品分野においては、米国が出願件数で外国人出願人の最高となったが、成長率では米国、日本はそれぞれ前年比18%減、13%減となり、中国は前年比20%増となった(図4参照)。

 

四、 外国人による出願件数減少の下、2020年の台湾特許出願件数は3年連続のプラス成長からマイナス成長へ

2019年年末、中国でコロナ感染症が発生してから感染状況は急速に世界に拡散し、世界保健機関(WHO)は20203月、世界的大流行(パンデミックス)であると表明した。2020年に台湾が毎月受理した特許出願件数は、3月を除いていずれも減少し、主として外国人による出願件数が4月から引き続き減少し、台湾人出願人による出願件数成長率も4月より伸び悩み、6月以降は2%減~3%増となった(図5参照)。2020年の出願件数は43,921件(前年比3.4%減)で、前年比1,536件の減少となり、そのうち台湾人は18,244件(前年比0.5%増)、外国人は25,677件(前年比6.0%減)となった(図6、図7参照)。

 

五、 主要出願国(地域)では韓国のみがプラス成長、日本、米国、中国、ドイツはいずれもマイナス成長

2020年の外国人による出願件数を国籍別にみると、日本(11,356件)が1位となり、次いで米国(5,521件)、中国(2,608件)、韓国(1,667件)、ドイツ(875件)となり、台湾への出願について異なる傾向が見られた。毎月の出願件数成長率を観察してみると、韓国は4月に前年同月比9%減となったが、すぐに上昇に転じ、前年比は5.5%増となった。また、米国及びドイツの傾向は韓国に類似しているが、いずれも8月以降にようやくプラス成長に転じ、それぞれ前年比2.4%減、6.2%減となった。一方、中国は第2四半期の成長率が顕著に上昇したものの、第3四半期はマイナス成長に転じ、全体では前年比3.4%減となった。日本は3月以降継続的なマイナス成長となり、前年比8.1%減となった(図7、図8参照)。

 

関連資料は下記リンク先の智慧局サイトの「2020我國與WIPO受理發明專利申請趨勢比較分析」(中国語)を参照。

www.tipo.gov.tw/tw/cp-174-219414-a1c98-1.html

 

本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです。

經通國際智慧產權事務所

透過行動條碼加入LINE

開啟LINE應用程式,接著至「其他」頁籤
中的「加入好友」選單掃描行動條碼。