「山形パインサイダー」デザインと酷似
2019/09/19 台湾台湾のスターバックスコーヒーが販売するパイナップルケーキの包装デザインが、飲料製造会社「山形食品」(南陽市、鈴木庄助社長)の「山形パインサイダー」のデザインと酷似していることが18日、分かった。山形パインサイダーを手掛けたデザイナー・中山ダイスケ氏(東北芸術工科大学長)は「模倣としか言えない。山形の小さな会社の商品だからばれないと思ったのだろうか」と話す。
台湾でスタバを展開する企業「悠旅生活事業」は山形新聞の電子メールでの取材に「山形パインサイダーのデザインは全く知らなかった」とした。デザインを請け負った会社は昨年11月にスタバ側から依頼を受け、同12月に完成したと説明。「山形食品の商品を見たことがない」とした上で「二つのデザインが似ていることを否定しない。しかし、完全な設計過程とアイデアがあり、比率や配置、配色が異なる。著作権の侵害には当たらない」と偶然の類似を主張している。
山形食品のホームページによると、パインサイダーの発祥は昭和30年代。当時、山形では珍しかった南国のフルーツへの憧れから誕生したと言われており、山形のご当地サイダーとして根強い人気がある。
中山氏は山形食品のブランドディレクションとパッケージデザインのアドバイザーを務めている。山形パインサイダーのデザインは2012年、同氏が代表を務めるデザイン会社「ダイコン」が制作。金色と黄色に輝く無数の星形でパイナップルをかたどり、サイダーのはじけるのど越しと、甘くさわやかな味が表現されている。山形食品はこのデザインについて国内、台湾で商標登録していなかった。
台湾在住の女性によると、問題の包装のパイナップルケーキは今年3月には台湾のスタバ店舗で販売されていたという。9月に入ってからも店頭に並んでいる。
二つを並べると、星形と緑色の葉の数は異なるものの、全体の形状や色使いはほぼ同じであることが分かる。
山形食品の担当者は山形新聞からの指摘で台湾スタバのデザインを知ったとし「色彩も本当によく似ている」と驚くが、今後の対応については「海外企業ということもあり、推移を慎重に注視していきたい」とし、問い合わせなどはせずに静観する構え。
※本文章は『山形新聞』から転載されたものです。