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「アジア人中傷」バンド名訴訟、米最高裁へ

2016/10/17 国際

 アジア系米国人のダンス・ロック・バンド、「ザ・スランツ(「つり目」の意。アジア人への蔑称)」によるバンド名の商標登録申請を米国特許商標庁が却下したことの成否をめぐる裁判で、米連邦最高裁判所はこのほど、同庁からの上告を受理した。最高裁は、差別的と判断した表現を商標として保護する義務が連邦政府にあるのか、判断を下すことに同意したことになる。この裁判は、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のワシントン・レッドスキンズの球団名をめぐる論争にも影響する可能性がある。

 

 判事らは9月29日、スランツの申請における連邦商標審査官の対応について、言論の自由を保障した憲法規定に抵触するかを審理すると表明した。他者を中傷する表現の商標登録を連邦の審査官が拒むことは、70年前に施行された法律により認められている。しかしワシントンの連邦控訴裁判所は、判事らの意見が分かれる中、この規定を違憲とする判決を下した。同裁の結論は「申請された商標が表現するメッセージに同意しないことを理由に、政府が登録を拒否することはできない」としている。

 

 最高裁判決は来年6月までに下される予定だが、その判断はレッドスキンズをめぐる同様の事案に影響する可能性がある。「赤い肌」を意味する名称がネーティブ・アメリカンを侮辱しているとして、連邦裁判所が昨年、商標登録の取り消しを命じているからだ。

 

 スランツの生みの親でベース担当のサイモン・シャオ・タムはバンド名について、アジア人に対する蔑称として長く使われてきた「スランツ」という言葉の意味を正すために考えたと説明。「人々がわれわれに対して抱いているステレオタイプ、例えばアジア系人種はつり目だという固定概念と闘い、打ち破ることを望んでいる」というタムの主張は、法廷の複数の文書に引用されている。

 

一方、特許商標庁がスランツの商標登録を却下したのは、このバンド名が多くのアジア系国民に対する侮辱に当たると結論付けたためだ。連邦政府は最高裁に対し、争点となっている規定は、議論の的となっている名称や図柄の使用を禁止するものではなく、また州法で個別に提供される商標保護に影響するものでもないと説明。さらに、商標の連邦登録は、商標に対して追加的に保護を与えるものだが、全ての申請者への適用が義務付けられているわけではないと主張した。

 

 レッドスキンズは控訴審の審理が終わっていないにもかかわらず、この問題に関して最高裁が同チームの事案を取り扱うよう求めた。しかし判事らは要請に応じず、最高裁ではスランツの事案のみを審理する意向を示している。(ブルームバーグ Greg Stohr)

 

本文章は『SanjeiBiz』から転載されたものです。

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