中国、日本産商標登録お構いなし 農産品ブランドのパクリ横行 農水省は苦慮
2017/09/07 中国中国の業者が日本の農産品のブランド名を勝手に商標登録する事例が相次ぎ、農林水産省は取り消しなどの対応に苦慮している。栃木県の開発したイチゴ「スカイベリー」も商標登録が新たに確認された。農水省は来年度予算の概算要求に異議申し立ての支援を盛り込むが、日本を代表する「松阪牛」に関する「松板牛」に対する異議は却下されるなど、ブランド保護のハードルは高い。
「いったん登録されると取り消しは難しい」栃木県の担当者は頭を抱える。「とちおとめ」の後継として輸出拡大にも期待を寄せる「スカイベリー」の名称が昨年、中国で商標登録されたからだ。申請者は上海市のインターネット販売会社。検疫の問題で輸出できないため、中国では商標登録をしていなかった隙をつかれた。
著名産地を知的財産に指定する地理的表示(GI)で保護されている愛知県の「西尾の抹茶」も出願されており、日本の保護制度はお構いなしの状況が続いている。農水省幹部は「販売業者や飲食店など、さまざまな人が目を光らせている」と警鐘を鳴らす。中国の商標法でも地名や品種名については、商標を取り消すことができ、讃岐うどんは2011年に異議が認められた。しかし、松阪牛は、出願から約10年経って取り消しを申請したが、10年に却下された。長期間放置すれば、商標の取り消しは厳しさを増す。
異議申し立ては手続きだけで数十万円がかかり、裁判になれば、さらに費用はかさむ。農水省は来年度予算の概算要求で、日本のGIを外国の第三者が商標出願した場合の異議申し立て費用の助成事業を盛り込む。ただ、新しいブランドが生まれる度に商標が狙われる現状では、いたちごっこが続くことになる。
本文章は『YAHOO JAPANニュース』から転載されたものです。