ニューバランス、商標訴訟で勝訴
2017/08/25 中国米国のスポーツシューズメーカーであるニューバランスが、中国で企業などを相手取り起こしていた商標侵害の訴訟で、江蘇省蘇州市中級人民法院は22日、被告側に約1,000万元(約1億6,400万円)の支払いを命じる判決を下した。24日付第一財経日報などが伝えた。外資企業による商標権侵害訴訟としては、過去最高の賠償額という。
ニューバランスは2016年8月、中国の法律事務所に委託して、深セン市新平衡運動体育用品や晋江市青陽新鈕百倫靴廠、個人など5者を相手取り自社商標の侵害を蘇州市中級人民法院に提訴した。
訴えによると、被告はニューバランスがシューズに着ける「N」のロゴを無断で使用していた。被告の個人は米国で14年に「USA New Bai Lun Sporting Goods Group」という企業を設立し、深セン市新平衡運動体育用品に委託する形で、中国の工場でニューバランスの商標を侵害した製品を生産していた。
蘇州市中級人民法院は訴えに対し、ニューバランスの市場シェアを奪い、信用に損害を与えたとして、被告に賠償金と訴訟費用の支払いを命じた。原告、被告双方ともに上告することが可能だ。ニューバランスは今回の訴訟では勝訴したものの、中国では長年にわたり商標を巡るトラブルに見舞われている。
同社は1990年代に中国に進出した。当時は地場の代理企業を通じたビジネスを展開していたが、代理企業が低品質の粗悪品を乱造するようになり、ニューバランスは代理契約を打ち切って中国から撤退。その後03年に中国に再進出を果たしている。
ニューバランスの商標に関する訴訟では、昨年6月には広東省の民間靴メーカーが、ニューバランスが中国語読みとしている「新百倫」を既に商標登録しているとし、商標侵害で訴えた。この訴訟ではニューバランスが敗訴し、罰金500万元の支払いと「新百倫」商標の使用停止を命じられている。
本文章は『アジア経済ニュース』から転載されたものです。