資策会がデータリスクを防備 生成AI導入の手引きを推進
2023/08/02 台湾AIの挑戦に直面するなか、資訊工業策進会(資策会、III)は「生成AI導入の手引き」を推進している。各界が生成AIを開発及び使用する際に規範を遵守できるよう、企業にダウンロード提供を行っており、これは台湾産業がその土地に応じてとった対応策の初のAI手引きでもある。
近年注目されている生成AIは、演算速度の変化、人材削減、効率上昇及びビジネスモデルの変化をもたらした。今後は更に産業の発展と競争力の転換に深く影響を与えると思われる。
資策会は、大規模言語モデル(LLM)が各応用を形成し、今後2~3年以内にほとんど全ての管理者レベル又は一般社員の仕事がある程度の影響を受け、2023年~2025年はAIが「成熟に接近」する時期で、2030年になると「成熟の応用」の段階に到達するであろうと予測しており、産業応用の機会については、健康医療、デジタルコンテンツ、生産製造、金融税務及び学術教育等への見通しが明るい。
しかし、各地の法令又は監督・管理制度は依然として国情及び地域が原因で、実際の導入には時間差がでている。資策会は生成AIがもたらすチャンスと挑戦を正視し、企業発展において必ず掌握しなければならないキーポイントであるとみている。
資策会は、生成AIは強大な応用性を有するが、潜在的リスクに対し警戒感を持ち続けなければならないと注意を促している。AIがもたらす挑戦とAIに学習させるため不注意で組織の機密情報を漏洩したり、AIトレーニング時に使用したデータで知的財産権を侵害したりするなどのマイナスの衝撃も注目に値する。トレーニングデータに偏りがある際、AIの回答が虚実混交し、正確な認識に影響を与える可能性があるが、これらは企業組織がAIを応用する時にあらかじめ認知しておくべきことである。
人にとって、生成AIの濫用は虚偽の情報をもたらし、悪意の内容又は他人に成りすます等の問題が出現し、プライバシーと安全に脅威をもたらす可能性がある。
AI時代の挑戦、衝撃及びリスクに鑑み、資策会は1日、「生成AI導入の手引き」を発表し、企業にダウンロード提供し、この手引きを企業に提供することでAIの素養を有するものとしての参考となることを期待している。また、企業の上層部や重要な決定権を有する者がまずはAIによる組織への影響を理解し、組織AIを如何に構築していくかの能力を検討する一助となることを期待しており、AI発展におけて検討すべき事項を理解するほか、その応用範囲内の使用における基礎を確立するものとなる。
台湾人工知能卓越中心(Taiwan AICoE)の許永真・副召集人はフォーラムにおいて、政府が人中心のAIを打ち出し、信頼のおける生成AIエンジンを発展させ、科学研究技術、人材、ガバナンス方面から国際規範と価値観を調和し、部会を超えた協力プラットフォームを構築すると共に専門コミュニティに介入し、台湾AIの国際的影響力を拡大していくことを望むと述べた。国立清華大学電気情報学院の頼尚宏・副学院長は、AIの応用は科学技術倫理に関連しており、AIの発展と使用に関する適度な法律規範を如何に定めるかが、非常に重要な課題であると示した。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。