高等行政裁判所2005年度訴字第03229号
2006/08/30 IP 判決原告 禾陽国際股份有限公司
被告 経済部
参加人 パナソニック電器産業株式会社
参加人 台湾松下電器股份有限公司
主文:
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実:
1.原告は2000年7月26日に第9類の「フラッシュ、プロジェクタ、ビデオレコーダ、モニタ、ラジオ、テレビ」などを指定商品として原処分機関の経済部知的財産局に「PANANIAL」を登録出願し、2001年9月16日に登録番号第960288号(以下係争商標という)として登録された。
2.参加人は2003年10月17日に係争商標が当時の商標法第37条第7、12、14号の規定に該当し、第42586号、第266193号、第735724号などを引用商標として無効審判を請求した。
3.原処分機関は係争商標の登録は登録出願時の商標法第37条第7、12、14号の規定に該当せず、2005年1月25日に中台評字第920440号の商標無効審判決定書にて「請求不成立」と処分を下した。
4.参加人は不服で訴願を提起し、被告は2005年8月24日に訴字第09406133680号の訴願決定にて原処分を取り消し、原処分機関に差し戻した。それに対し、原告は不服で本裁判所に行政訴訟を提起した。
判決の旨:
1.係争商標の「PANANIAL」と引用商標の「PANASONIC 」と比較すると、何れも単なる欧文字商標であり、前半の「PANA」は同じで、後半の「NIAL」と「SONIC」には差異があるが、印象が与えられる顕著なものは前半の「PANA 」である。一般の消費者が普通に看取し、時と所を異にして観察すれば、それらの外観は極めて類似し、消費者が商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるから、類似の商標というべきである。
2.参加人は引用商標の「PANASONIC」、「PANA」の他に、「PANA-XXX」の商標も登録出願したから、さらに「PANA」が参加人の商品を代表する識別性を向上させた。一方、原告は係争商標の「PANANIAL」の他、引用商標の「PANASONIC」の後段の「SONIC」にて「POWERSONIC」の商標も登録出願したから、消費者に参加人の「PANASONIC」を連想させる意図が明らかである。
3.原告は「PANA」を始めした登録商標が何件もあり、「PANA」の識別性が既に弱化され、また「PANANIAL」と「PANASONIC」は米国、豪州、中国、欧州連合などで同時に登録されているから、両者が非類似のものと主張した。しかし、原告の挙げた「PANA」を始めとした登録商標は殆ど参加人の所有である。また、商標登録の可否を判断するとき、商標自身の要素だけでなく、商品の性質、消費者、販売場所、流通経路又はその他の特殊要素も含めて考慮してすべきであり、「PANA」を始めとした一つ又は幾つかの商標が登録したから、係争商標の登録を認めるべきてはない。同じく、国により法制度や審査基準が異なるから、他国で共存した登録商標は原告に有利な証拠とはならない。
4.係争商標の「PANANIAL」と引用商標の「PANASONIC 」、「PANA」とは類似下と認め、原告の請求は成り立たない。