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2019年第4四半期の知財統計情報

2020/02/06 IP 統計

2019年第4四半期における三種類の専利出願件数(特許、実用新案、意匠を含む)は20,141件(前年同期比2%増)で、そのうち意匠出願件数は14%増となり、商標登録出願件数は22,533件で、件数としては2003年以来の各四半期における過去最高を記録した。台湾人による意匠出願件数は前年同期比28%増と大幅成長し、また外国人による実用新案出願件数は同比21%増と顕著な成長ぶりを示した。特許出願においては、台湾積体電路製造(TSMC)及びアプライド・マテリアルズが台湾法人、外国法人の出願人中トップとなった。

 

一、専利出願の動向

(一) 専利出願件数の成長の主因は意匠出願件数の増加

三種類の専利出願件数は合計20,141件で、特許が13,232件、実用新案が4,628件、意匠が2,281件といずれも前年同期比プラス成長となった。そのうち意匠は同比14%増となり第4四半期の成長の主因となった。

(二) 台湾人による意匠出願件数が3割近く増加

台湾人による三種類の専利出願件数の内訳は、特許が5,506件、実用新案が4,288件といずれも前年同期比微減となったが、意匠は1,216件で個人及び企業の出願件数がいずれも増加し28%増の大幅成長となった。意匠出願における台湾人の占める割合は47%(2018年第4四半期)から53%(2019年第4四半期)へ上昇した。

(三) 外国人による実用新案出願件数が2割超の増加

外国人による三種類の専利出願件数はいずれも増加し、特許が7,726件、意匠が1,065件と小幅な成長となった。実用新案は340件で前年同期比21%増となり、主に中国からの出願件数増加が関係している。また、特に注目したいのは、外国人による意匠出願件数の成長率がここ4四半期連続で2桁成長であったが、2019年第4四半期の成長率は1%増と微増であったことである。

(四) 台湾積体電路製造が台湾法人による特許出願件数の1

台湾法人の特許出願件数は、台湾積体電路製造(TSMC)が371件と最多で、次いで工業技術研究院(ITRI240件)、宏碁(ACER168件)が占め、TSMCACERの出願件数はいずれも前年同期比それぞれ25%増、68%増と大幅成長となったが、ITRIは同比12%減となった。2019年第4四半期における特許出願件数のうち台湾法人の割合は71%に迫り、台湾のイノベーション研究開発の動力源となっている。そのうち中小企業の出願件数は6%のプラス成長で、2018年第2四半期以降いずれもプラス成長を維持しており、中小企業が専利による技術保護を徐々に重視してきていることを示している。

(五) 遠東科技大学が高等教育機関における特許出願件数のトップ

台湾の高等教育機関による特許出願件数合計は前年同期比4%減となった。国公立・私立大学を合わせた出願件数トップは遠東科技大学の38件、国立大学では中央大学が25件と最も多く、上記2校の出願件数は前年同期比それぞれ111%増、400%増と大幅成長となった。この他、国公立大学と私立大学の出願件数はそれぞれ286件、209件で、高等教育機関における特許出願件数の割合はそれぞれ58%、42%となり、前年同期比では私立大学の占める割合が上昇した。

(六) 工業技術研究院の特許出願件数はその他の研究機関を大きくリード

台湾の研究機関における特許出願件数合計は前年同期比16%減となった。工業技術研究院(ITRI)の出願件数は240件で最も多く、次いで金属工業研究発展中心(MIRDC)の68件であった。

(七) 米国アプライド・マテリアルズ及びアップルがそれぞれ外国人による特許及び意匠のポートフォリオに積極的

外国人による特許出願を国籍別にみると、日本が3,293件と最も多く、次

いで米国の1,692件、中国の764件で、成長率からみると、日本、米国、中国の出願件数はそれぞれ29%とばらつきが見られた。個別に見ると、米国アプライド・マテリアルズが178件と最も多く、前年同期比125%増のプラス成長となった。

意匠出願においては、日本が326件と最も多く、出願件数上位5か国(地域)のうち、日本、米国、イタリアの出願件数はいずれもプラス成長となり、増加幅はイタリアの445%が顕著であった。また、個別出願人のうち、米国アップルが54件と最も多かった。

 

二、今期の商標出願の動向

(一) 商標出願件数は2003年以来の最高を記録

商標登録出願件数は22,533件で、2003年以来の各四半期における最高を記録した。台湾人出願人は16,233件(前年同期比7%増)で、件数として過去最高を記録したが、外国人出願人は6,300件(同比2%減)であった。台湾人による出願件数は3四半期連続のプラス成長となり、それと同時に全体件数に占める割合は2017年第4四半期の70%から2019年第4四半期の72%へと上昇した。

(二) 外国人出願人においては中国の出願件数が最多

外国人出願人を国籍別にみると、中国が1,395件と1位を占め、次いで日本の1,264件、米国の882件であった。出願上位5か国(地区)のうち、中国、日本、米国の出願件数はいずれも減少し、韓国及び香港はそれぞれ前年同期比43%増、同比22%増となった。

 

※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです

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