口コミサイト “商標権の侵害”で削除命令 札幌地裁
2016/09/21 国際札幌市の中古車販売業者が、中古品の買い取り価格を比較する口コミサイトに、社名や事実と異なる情報を掲載されたとして、削除を求める仮処分を申し立てたのに対し、札幌地方裁判所は、商標権の侵害にあたるとして、サイトを運営する東京の会社に情報の削除を命じました。
札幌市の中古車販売業者、「ティーバイティーガレージ」は中古品の買い取り価格を比較する口コミサイト「ヒカカク!」に無断で社名を使われたほか、「今すぐ売るか売らないか即決してくれないと困ると言われた」などと、事実と異なる情報を掲載されたとして、サイトを運営する東京・渋谷区のインターネット関連会社「ジラフ」に削除を求める仮処分を申し立てていました。
これについて、札幌地方裁判所は、商標権の侵害にあたるとして、申し立てがあった22件の情報の削除を命じる決定を出しました。「ティーバイティーガレージ」の代理人の弁護士によりますと、商標権の侵害を理由に、口コミサイトの情報の削除を命じた仮処分の決定は、全国で初めてと見られるということです。
高森健弁護士は「口コミサイトの在り方に一石を投じるのではないか」と話しています。一方、情報の削除を命じられた「ジラフ」の麻生輝明代表取締役は「社名を出すことが商標権の侵害には当たらないと考えており、納得できない。口コミの削除命令についても表現の自由が侵害されるような決定で、今後の対応を検討したい」と話しています。
本文章は『NHK NEWS』から転載されたものです。