ポケモンGo Plusの模倣品を販売していた男に販売単価の600倍の賠償金判決
2020/04/04 台湾2018年に周と言う男が露天オークションサイトを使いポケモンGO Plus等の模倣品を1つ550台湾元(約2,000円)で販売しているのを、任天堂が発見し賠償金を求め訴訟提起していた事件で、知的財産裁判所は、被告に対し販売単価の600倍の金額である33万台湾元(約119万円)の賠償金を支払うよう命じる判決が確定した。
任天堂は、商標権侵害を被った価値、点数、被告が和解に応じず損害を賠償する意思がない姿勢等を総合的に判断し、摘発されたポケモンGO Plusの販売単価の377倍を損害賠償額とすることが合理的であるとともに、合計6件の登録商標を侵害していることから、商標法第71条第1項第3号の規定により、損害賠償金額は124万4,100台湾元(単価550元x377x6商標、約450万円)とすべきであると主張した。
これに対し周は、販売していた商品が模倣品だったとは知らず、うち200件がポケモンGO Plusで、残りは価格30台湾元(約100円)のストラップであり、30台湾元と550台湾元を併せて算出すべきではないと抗弁し訴訟棄却を求めた。
知的財産裁判所の合議体は次のような見解を示した。周が摘発された中で商標権侵害商品の件数は307件、販売単価は550台湾元(約2,000円)、侵害した商標権は4つ、販売期間は約半年、摘発及び実際に販売された数量は約300件、各販売単価は550台湾元、犯行後にも犯行を認めず未だに和解に応じない状況を斟酌すると、周が負うべき賠償責任は、摘発された商標権侵害商品の販売単価の600倍として計算することが適切である。
上記の計算により、合議体は周の賠償金額を33万台湾元(550元×600=33万台湾元;約119万円)とする判決を下し確定した。
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。