ジョブズお決まりの “One more thing…” スウォッチが商標登録?
2015/08/23 国際“One more thing…”(そして、もう一つ…)というのは、アップル共同創業者、スティーブ・ジョブズのお決まりのフレーズ。プレゼンテーションが終盤に差し掛かったころ、想定外の新商品やサービスを発表しますよ、というジョブズ流の前振りで、これが出てくると「待ってました」とばかり、会場から歓声があがったものだ。
ところが、これに関して驚きのニュースが飛び込んできた。アップル関連特許ニュースサイトのPatently Appleが速報したところによると、”One More Thing”(ワン・モア・シング)の商標がスイスのスウォッチによって登録されたというのだ。
さらに続報を流したCNETによれば、”Tick Different”(ティック・ディファレント)という言葉も、やはりスウォッチによって商標登録されているという。これは時計との関連をうかがわせる言葉ではあるが、明らかにジョブズが1997年にアップルに復帰した直後から2002年まで使用した広告キャンペーンのスローガン、”Think Different”(シンク・ディファレント)のもじりとしか思えない。
スウォッチがなぜ、アップルやアップルファンを敵に回すような商標を登録したのかは不明。ただ、もしかすると商標を使うつもりはまったくなく、アップルがApple Watchを発売し、腕時計分野に参入したことへの単なる意趣返しといった意味合いがあるのかもしれない。
(※追加)
やはり、スウォッチはアップルが腕時計市場に参入することを苦々しく思っていたらしく、報道によれば、Apple Watch発表前の昨年5月には、「もし製品名がiWatchだったら、世界各地でアップルを訴える」と表明していた。というのも、スウォッチが「iSwatch」の商標を持っているため、その商標権を侵害することになるとの主張だ。
さらに、"One more thing..."とApple Watchの絡みでいえば、アップルがApple Watchを初めて発表したのが、2014年9月開催のスペシャルイベントでのこと。ただ、この際の主役はあくまでiPhone6とiPhone6plus。そこに途中からティム・クックCEOが登場。"We have one more thing..."の掛け声とともにApple Watchの概要を紹介し、観客から大きな喝采を浴びた。こうした背景も加わって、Apple Watchの発売から1カ月後の今年5月というタイミングで、スウォッチによる"One more thing..."の商標登録がなされたらしい。
本文章は『ニュースイッチ』から転載されたものです。