乃し梅、高額転売「やめて」 佐藤屋(山形)、無断ネット出品に困惑
2021/03/18 中国老舗和菓子店「乃し梅本舗佐藤屋」(山形市)の商品「乃し梅」が通販サイトで高額転売され、同店が困惑の声を上げている。定価の約2倍の値段で売られ、商品の画像も無断転用のもの。転売自体は違法ではないが、佐藤慎太郎社長は「問題提起としてツイッターに投稿した」と話し、ネット上でも注目を集めている。
同店では以前から無断での高額転売に頭を悩ませており、その度に通販サイトに通報して改善を促してきたが、出品者が次々に現れ、いたちごっこが続いていた。今回は佐藤社長が15日に、ネットで検索し、「ヤフーショッピング」で全国各地の10社が高額転売しているのを見つけた。
いずれも30枚入りが定価(1枚120円)の2倍前後となる5千円台~8千円台で売られ、佐藤屋が著作権を持つ商品画像を使用。出品者は注文を受けるたび、別の通販サイトから定価で「乃し梅」を購入し、注文者に送っているとみられる。佐藤社長によると、どの出品者も知らない業者で、画像使用の事前連絡もなかった。
通販サイトに掲載された問い合わせ先に電話を掛けても多くは通じなかった。電話が通じた出品者もおり、この出品者は山形新聞の取材に「掲載画像は許可を得て使用しているが、中には手違いで未許可の画像が混ざっているかもしれない。転売については(佐藤屋の考えを)確認し対処したい」と話した。
佐藤社長は「通販サイトを見たお客さまから『値上がりしたの』と聞かれることもあり、迷惑だ」と、購入者が不利益を被っていることに憤慨。「画像の無断使用は著作権法違反。出品者にもサイト側にも誠意ある対応を求めたい」とし、定価で購入できる自社や百貨店のオンラインショップの利用を呼び掛けている。
※本文章は『山形新聞』から転載されたものです。