企業のフレーズ、商標登録しやすく 特許庁が基準改正へ
2015/09/18 国際特許庁は17日、企業などがイメージアップや商品のPRに使うキャッチフレーズやスローガンについて、商標登録しやすくなるように商標審査基準を改める方針を明らかにした。企業にとっては、手塩にかけて認知度を高めてきたフレーズを守りやすくなりそうだ。
17日に開いた有識者会合で、新たな基準案を示した。登録を認める基準として①商号などが含まれる②ロゴなどの図形と一体化している③長期間使っている④第三者が似たものを宣伝に使っていない――などを挙げている。審議を経たうえで、2016年度にも改定する。
これまで特許庁は、キャッチフレーズやスローガンの商標登録を原則、認めてこなかった。「美しい時代へ 東急グループ」のように、企業名がキャッチフレーズに入っている場合などは、例外だった。
だが、特許庁が商標登録を認めなくても、その後の不服審判で判断が覆り、登録できたケースが続出している。CMなどを通じてキャッチフレーズが広く知られているような場合だ。特許庁が認めなかった532件のうち約6割の登録が実現しており、今回の改定は現状を追認する形になる。
特許庁によると、過去の審判例でいえば、ダイハツ工業の「Innovation for Tomorrow」や、キッコーマンの「毎日続ける大豆の健康」といったケースであれば、新基準なら最初の審査で登録が認められる可能性が高いという。
ただ、広く知られていても、一般的な用語は対象外となる。過去の審判でも認められなかった「初めてでも安心」「心の健康」といったケースは難しいとみられる。
本文章は『朝日新聞』から転載されたものです。