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新制「智慧財産案件審理法」の施行で営業秘密訴訟の保護強化

2023/09/15 台湾

15年ぶりの大幅な法改正となる新「智慧財産案件審理法」は本日(30日)正式に施行された。行政訴訟及び懲戒庁の程怡怡・庁長は、今回の法改正は台湾の知的財産訴訟制度をより専門的で効率良いものにし、国際潮流に合致させ、営業秘密の保護をより完備させたもので、台湾産業の競争力を向上させ、最新技術を持つ台湾企業に安定的な発展をもたらすものとなると述べた。

 

15年ぶりの大幅法改正 法改正の9つのポイント

程怡怡・庁長は、今回の法改正は台湾の知的財産訴訟制度の重要なマイルストーンであり、新制の9つのポイントは、営業秘密訴訟の保護の完備、弁護士強制代理の拡大、専門家の審理参加の拡大、知的財産案件の集中審理、訴訟紛争の一回的解決(裁判見解の相違の回避)、審理効率促進、テクノロジー設備を用いた審理(司法の電子化)、被害者の訴訟参加制度の新設及び実務争議の解決であると示した。

 

専門法廷(専門科)審理、在職研修の実施により審理の専門性を強化

程怡怡・庁長は、新制は専門的審理を実現するもので、各レベルの裁判所に設置した知的財産専門法廷(専門科)、知的財産及び商業裁判所の知的財産法廷で、民事・刑事の分散制度を実施するほか、司法院も引き続き知的財産訴訟、国家安全営業秘密訴訟の保護等の研修課程を行い、裁判官の専門知識を強化すると強調した。

 

13の関連子法で知的財産審理法制度を完備

程怡怡・庁長は、司法院はすでに別途、知的財産案件審理細則の新設(改訂)、裁判所が実施する営業秘密案件の訴訟資料及び非公開審判弁法、裁判所が営業秘密案件を実施する際に注意すべき事項等13の法規命令及び行政規則の関連子法法制作業措置が完成しており、各裁判所に案件処理時に遵守するよう提供し、また各界が随時情報を把握し、制度内容を理解できるよう、司法院は公式サイトにおいて「新智慧財産案件審理法」の専門ページを構築すると説明した。

 

新制「智慧財産案件審理法」の9つのポイント

 

1. 営業秘密訴訟の保護を完備:営業秘密侵害案件はいずれも知的財産及び商業裁判所(以下「智商裁判所」と称する)が審理し、訴訟における営業秘密保護を強化する。

新制は営業秘密案件の専門的審判及び保護を向上。

 

A) より専門的に

・営業秘密の第一審刑事事件は、智商裁判所の第一審知的財産法廷での審理に改める。

国家コア技術を侵害する営業秘密の第一審刑事事件は、智商裁判所の第二審知的財産法廷が審理するものとする。

・最高裁判所は専門法廷又は専門科を設立し、知的財産案件を審理する。

B) より安全に

営業秘密の証拠資料内容を保護。

秘密保持命令の運用制度を強化。

営業秘密の証拠資料を非識別化するコードネーム又はコード。

秘密保持命令に違反する罪は刑事責任として量刑はより重くし、域外での秘密保持命令違反罪を導入。

 

2. 弁護士強制代理を拡大

知的財産事件は高度な法律専門性を有することを考慮し、当事者の権益を保護し、審理の効率向上のため、特定の類型の知的財産民事事件(例:専利権、コンピュータプログラム著作権、営業秘密に係る第一審民事訴訟事件、第二審民事訴訟事件、控訴第三審及び再審事件等)について、当事者は弁護士を訴訟代理人として委任しなければならないと明文化した。

 

3. 専門家の審理参加を拡大:査証制度と専門家による証人制度の導入

裁判所の新興高度テクノロジーと専門的な訴訟事件における真実発見の一助となり、証拠が偏る問題の解決、当事者の訴訟上の武器の平等化促進のため、日本特許法の規定を参考にし、裁判所は当事者の申立てにより証拠収集手続きを執行する中立の技術専門家の選任ができる「査証」制度を導入した。また、専門的で適切、迅速な当事者紛争の解決のため、商業事件審理法で採用している「専門家による証人」制度の準用を新設した。

 

4. 知的財産案件の集中審理:審理計画制度の導入

新設された弁護士強制代理制度を採る特定事件、またはその他の事件で事情が煩雑である、もしくは必要である場合、裁判所は当事者と協議のうえ審理計画を立てなければならない。また、訴訟効率向上のため、審理計画事項に違反した際の法律効果を規定した。

 

5. 紛争の一回的解決、裁判見解の相違を避ける:司法と行政の情報交流制度を構築

裁判見解の相違を避けるため、裁判所と知財主務官庁の間での情報交流制度、知財主務官庁からの意見聴取制度、専用実施権に係る訴訟の告知義務及び知的財産権の有効性の判断の相違による再審請求の制限を新設した。

 

6. 審理効率促進:技術審査官報告書を公開

審理効率を促進するため、技術審査官が作成した報告書について、裁判所は必要に応じ、全部または一部の内容を公開することができ、かつ、当事者に弁論の機会を付与することを新設したほか、被害者の立証の程度を低減させ、また、権利侵害行為被害者に具体的な答弁義務を課すと改正した。

 

7. テクノロジー設備を用いた審理、司法の電子化を促進

テクノロジー設備使用による訴訟手続参加対象を拡大し、判決書の正本を電子ファイルで送達できる旨を明文化した。

 

8. 被害者がより積極的に権益防衛できるよう、被害者の訴訟参加制度を新設

被害者の権益を保証するため、知的財産刑事事件はいずれも刑事訴訟法の被害者訴訟参加の規定を準用する旨を明文化した。

 

9. 実務争議の解決

専利の「訂正の再抗弁」制度、及び「民事附帯訴訟手続」等の規定を改正し、実務争議の解決により、訴訟の紛争解決機能を強化する。

 

本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです。
經通國際智慧產權事務所

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