中国:ネット小説、違法コピーで年間損失1740億円にも
2016/04/05 中国中国では近年、インターネット上で公開する「ネット小説」のヒット作が続々と生まれ、特に昨年は「当たり年」となった。しかし、違法コピーも横行し、損失額は中国の業界全体で年100億人民元(約1740億円)にも上るという。光明日報が3月30日付で伝えた。
中国ではネット小説を原作とした映画やテレビドラマ、ネットドラマも人気を集めている。IT市場調査会社の艾瑞諮詢(アイリサーチ)が発表したネット小説の著作権保護に関するリポートによれば、2014年に中国で違法コピーされ出回ったネット小説の閲読料を正規料金に換算すると、パソコン向けで43億2000万人民元、モバイル端末向けで34億5000万人民元に上る。さらに派生製品の売上高は21億8000万人民元に達し、これらを合わせると100億人民元に近い額となる。
小説の違法コピーは主に、ネット掲示板やクラウド保管サービス、アプリなどを通じて拡散されている。組織的な場合には、注目を集めたいサイト上で違法コピーした小説を公開し、ここに広告を掲載して利益を得るという形もある。
全国政治協商会議の委員(議員)で、出版業界の公益団体「韜奮基金会」の理事長を務める聶震寧氏は、「ネット技術の進歩に伴い、違法コピーの手口が複雑・巧妙化している」と指摘。「ネット業界内で違法行為に対する管理監督を強化し、作者の著作権登録を後押ししていく必要がある。違反業者を名指しするブラックリスト制度も確立するべきだ」と訴えた。
本文章は『newsclip』から転載されたものです。