同じ効き目でも値段が違う薬があるのはなぜ?
2015/11/05 国際薬局で聞く「ジェネリック医薬品」って何?
みなさんは、風邪をひいたり体調を悪くした時に、お医者さんに行くことがあると思いますが、その後、薬をもらうために薬局にも行きますよね。
そのとき、「ジェネリック医薬品」という言葉を聞いたことはありませんか? このジェネリック医薬品は、他の医薬品よりも値段が安いことが多いのですが、なぜ同じ薬なのに違いがあるのか、気になっていた人もいると思います。
まず、ジェネリック医薬品とは、「特許が切れた医療用の薬」のことを指します。医療用の薬とは、ドラッグストアではなくお医者さんに処方してもらう、飲み薬や塗り薬などのことです。では、「特許が切れた」とはどういうことなのでしょうか?
ジェネリック医薬品の効き目は?
そもそも、新しい薬を医薬品メーカーが開発するのには、とても長い時間と予算が必要で、その額は数百億円とも言われています。その費用をまかなうため、新薬を製造するときには、特許(発明者の権利)を取得し、ほかの会社が真似できないように保護を行います。
しかし、この保護も永久ではなく、期間に限度があります。この保護期間が切れると、その薬の成分が公開され、他メーカーも同じ薬をつくれるようになります。すでに長く使われている薬品をもとにつくるので、開発の費用が抑えられ、もとの薬品よりも比較的、安価に販売することが可能です。
アメリカやイギリスではジェネリック医薬品が普及していますが、日本ではまだ利用者が少ないといいます。しかし日本でも最近では、品質チェック体制の強化や検査結果の公開により、安全性を証明することで、ジェネリック薬品はだんだんと認知されつつあります。
注意したい点もあります。最初につくられた医薬品と有効成分は同じでも、添加物や剤形は異なるというところです。これにより、薬品を吸収する速度に変化があり、効果が出にくかったり、逆に効き過ぎたりすることがあります。価格が安いという点だけにこだわらずに、安全性を気にして選ぶようにしたいですね。
薬の開発は「薬学」で学ぶことができる
医薬品をはじめとした薬の開発に携わるには、「薬学」という学問が役立ちます。薬学とは、薬の効き目や製造方法などについて研究する学問のことで、新薬の開発や化粧品の開発、また薬剤師として薬の処方など、薬に関わる幅広い仕事につながります。
いまだ治療法のない難病や身近な病気の予防につながる新しい薬品を開発できれば、病気で悩む人を減らすことができるかもしれません。薬学は、薬を通してたくさんの人々の健康を実現する、なくてはならない学問だといえそうです。
本文章は『マイナビニュース』から転載されたものです。