権利侵害10億台湾元 警察は安博盒子UBOXの11人の容疑者を逮捕
2021/12/21 台湾2021年の東京オリンピック開催期間に芸能人の陳建州が「安博盒子(UBOX)」を使用して競技観戦をしていたことが発覚し大騒動を引き起こした。そこで刑事局と新北地方検察署は連携して「浄頻専案2.0」(違法のSTB(Set Top Box)及びコンピュータ施設の一掃プロジェクト2.0)を発動し、数カ月かけてUBOXの台湾最大の取扱業者を逮捕した。権利侵害額は10億台湾元(約41億円)に達するとみられており、警察側はNetflix、Disney+が次の著作権侵害の被害者になる恐れがあると懸念している。
刑事局電信偵査大隊は、犯罪集団が2021年の東京オリンピック開催期間に違法STBを使用して電波を窃取し、国際競技等のコンテンツを無断配信したことと同様の手口で、不法な費用を稼ぐのを防止するため、刑事局と警政署保安警察第二総隊はプロジェクトチームを設立し、8、9月及び11月の3回にわたり、台湾全土の26カ所の犯罪場所を一掃し、新北、桃園及び彰化等の電波窃取アジトを摘発し、11人の逮捕・出頭に成功したと発表した。
警察側は台湾の民視、東森、TVBS、三立、年代、壹電視、中天、八大、非凡、緯来及び日本のTBS、FUJI TV、NTV、WOWOW、TV Asahi等各テレビ業者の映像・音楽内容の信号がいずれも窃取されているのを発見し、「中華民国衛星テレビラジオ事業商業同業公会」及び「日本一般社団法人コンテンツ商品海外流通促進機構(CODA)」の団体を通じて、各テレビ業者からの通報を受け、検察・警察は捜査を拡大した。
警察側はNCCの指導、並びに各通信業者の協力を通じて、市場におけるUBOX違法STBに対しクラウド鑑識及びデジタル分析を行ったところ、信号窃取中継メインサーバーの設置に協力した新北、彰化等域内の第2類通信業者を特定し、さらに黄容疑者は台湾内にUBOX会社を設立し違法なSTBのWIFI等の高周波検証ライセンスをNCC(国家通信伝播委員会)に申請していたことが発覚した。
黄容疑者はハードウェア高周波ライセンスを取得したことからSTBは合法であると称し、また、取扱業者の協力を経て海賊版の映像・音楽の視聴するための特定アプリのダウンロードを提供した。また、該社の職員及び友人名義で各OTT動画アカウントを申請し、クラッキング技術により信号を違法STBに転送し、一般の有線テレビ業者のごとく配信できていた。
警察側は、台湾の情報テクノロジーの発達から、次はNetflix、Disney+等のストリーミングプラットフォームが被害者となるだろうと発言した。
※本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです。