ヴァージル・アブローの「オフ-ホワイト」、他の"オフホワイト"社に商標権侵害で提訴
2019/07/15 国際ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)のブランド「オフ-ホワイト(Off-White)」が、商標権侵害、不正競争、および商標の希釈などで、ニューヨークのマーケティング・デザイン事務所オフホワイト・プロダクション(OffWhite Productions LLC)から提訴されている。
原告は、2012年にヴァージル・アブローが「オフ-ホワイト」を設立する以前、「1990年代後半から『オフホワイト』としてビジネスを行って」いると主張。ウェブサイトやツイッターのアカウントにも「offwhitedesign」という名前を使用しているという。
また、オフホワイト・プロダクションは、アブローの「オフ-ホワイト」の出現により、自社のウェブサイトが「『OffWhite』や『Off White』といった文字列で検索した際、グーグルにおける検索結果で上位1ページ目から外れてしまった」とも述べ、自社のブランド価値が損なわれたと訴える。
同社はこれまでにもヴァージル・アブロー側に「こうした侵害行為を中止するよう」求めたが、拒否されている。「オフ-ホワイト」の法定顧問は、両社の類似により引き起こされる「混同を軽視し」、「クライアントに侵害行為を中止しないよう助言した」というのが原告側の言い分だ。
糾弾されている案件の中には、「『OFF』という単語にグラフィックアレンジを加えた新しいロゴは、(オフホワイト・プロダクションにより)使用されているが登録されていないロゴと、間違えようがないほど酷似している」というものもある。訴状には、「オフ-ホワイト」が「悪意」を持っているとの表記も見られた。
オフホワイト・プロダクションの要求は損害賠償と差止救済措置で、消費者が両社の繋がりを誤解しかねないロゴやブランド名、商標の使用を「オフ-ホワイト」側が中止するよう求めている。
「オフ-ホワイト」が商標権の関係で訴えられたのはこれが初めてではなく、昨年は「ヘリー・ハンセン(Helly Hansen)」にロゴのストライプデザインで提訴された。しかし一方で、「オフ-ホワイト」自身も、「Brooklyn Lighthouse」や「Wish.com」などを相手取った訴訟を起こしている。
※本文章は『FashionNetwork.』から転載されたものです。