「野球拳おどり」商標セーフ…松山市と商議所 出願
2021/09/15 日本「地元が誇る文化 認められた」
松山市の夏祭り「松山まつり」で披露される「野球拳おどり」について、市と松山商工会議所が商標登録を出願し、特許庁に認められた。8月26日付。祭りでの踊りが商標登録されるのは珍しいといい、市と商議所は「ブランドの向上や魅力の発信につなげたい」とする。(福永健人)
野球拳おどりは、市内で大正時代に発祥したとされるお座敷芸「野球拳」を基にし、1970年に夏祭りに採用された。市民や企業が連を結成し、「アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ」のかけ声に合わせてじゃんけんをする振り付けなどで市中心部を踊り歩く。
コロナ禍で2020、21年はオンライン開催となったが、メロディーをロック調に変えた「 Baseベースballボール ― Danceダンス 」が考案されるなど新たな動きも出ている。
商標登録は市と商議所が昨年9月、他団体の無断使用を防ごうと、「祭りの企画・運営、開催」を対象に出願した。特許庁の審査では、「松山市固有の踊り」としたうえで、公的な市などの出願であることも踏まえ、登録された。
今後は商標を独占的に使用し、他団体による勝手な商業利用、インターネット上でのブランドを損なうような悪用などを防ぐことが期待されるという。
一緒に出願した「松山まつり」は「松山で行われる祭りの意味合い」が想起されるため、登録が認められなかった。商議所の担当者は「セットで登録されなかったのは残念だが、野球拳おどりは松山にしかない、松山が誇る文化と認められたと考えている。全国で、世界で親しまれる踊りにしたい」とした。
※本文章は『読賣新聞』から転載されたものです。