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日本産ブランド 海外の模倣農産物防げ

2021/09/22 日本

名称の勝手な使用や商標登録など、海外で日本の農産物のブランドを侵害するケースが後を絶たない。農家をはじめ産地が築き上げたブランドイメージを傷つけ、輸出の妨げにもなる。政府が中心となって、模倣品の排除に向けた取り組みを強化すべきだ。

 

石川県が14年かけて開発した高級ブドウ「ルビーロマン」。7月の初せりで、過去最高の1房140万円で台湾のスーパーが買い取るなど注目を集める。ところが、この品種が韓国で商標登録されていた。県によると、2019年に英語で、20年に片仮名とハングル文字で行われた。県は、種苗が海外に流出しないよう厳しく管理。しかし海外で需要が見込めるか当初は分からず、日本以外での商標登録をしてこなかったという。

 

オーストラリア産の「神戸ビーフ」、中国産の「夕張メロン」、産地不明の「但馬牛」……。農水省が公表した海外市場調査からも、模倣品が横行している実態が浮かび上がる。20年5~10月に25の地理的表示(GI)の名称について、世界の166の買い物サイトを調査。名称を不正に使用し、模倣品と疑われる商品が1378件見つかった。一昨年の調査での147件と比べると9倍になった。

 

模倣品が出回ることは、品質の高い日本産農畜産物・食品のブランドイメージを傷つけ、販売に支障を来す。品種改良や栽培・加工技術の確立、PRに取り組み、ブランドを育ててきた産地や関係者の努力を踏みにじる行為であり、看過してはならない。

 

模倣品をどう防ぐか。GIで有効な手だてとなるのが、外国政府との相互保護の協定だ。相手国が日本のGIを保護し、積極的に取り締まりを行うことが期待される。現在締結しているのは欧州連合(EU)と英国。政府には、締結国の拡大に向けて取り組みを強めてもらいたい。

 

監視強化も欠かせない。農水省は、都道府県やJAなどと農林水産知的財産コンソーシアムを立ち上げ、GIの不正な名称使用や商標登録がないかを業者に委託し調査。見つかれば産地に伝え、現地当局に異議申し立てを行うよう促す。調査品目の拡大や調査期間の延長など、監視を強化することも求める。

 

不正に対し異議を申し立てるなど産地の対応も必要だ。京都府茶協同組合は、中国企業が「京都宇治」を商標登録しているとして19年11月に中国当局に取り消しを請求。21年1月に認められた。農水省は、手続きに詳しい専門家の経費を補助する事業を設けている。活用したい。

 

政府は、農林水産物・食品の輸出を30年に5兆円にする目標を設定。昨年の5・4倍だ。模倣品の排除も目標達成には必要である。

 

本文章は『日本農業新聞』から転載されたものです。

經通國際智慧產權事務所

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