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著名人の知名度に便乗した商標の無効宣告事件

2023/12/22 中国

事件の基本概要

無効宣告請求人:黄建堃

被請求人:伍連徳国際医療管理中心有限責任公司

 

請求人の主な理由:伍連徳は中国の衛生・防疫、検疫事業の創始者であり、中国の現代医学、疫学などの分野の先駆者であり、中華医学会の初代会長でもある。係争商標の登録は信義誠実の原則に反し、関連の公衆にサービスの出所などに対する誤認を容易に生じさせ、中国の社会公共の利益および公の秩序に消極的、マイナスの影響を及ぼすものであり、伍連徳の先行氏名権を侵害する。

 

審理を経て、商標局は次のように判断した。請求人が提出した証拠は伍連徳氏が中国の衛生・防疫、検疫事業および現代医学、微生物学、疫学、医学教育、医学史などの分野で極めて高い信望を集めていることを示しており、係争商標の識別性は文字の「伍連徳」にあり、指定役務上で使用することにより、公衆がそれと伍連徳氏の間にある種の特別な関連性が存在すると思わせ、それによりサービスの出所などの特徴対する誤認を容易に生じさせるものであり、係争商標の登録はすでに商標法第10条第1項第(七)号に定める事由に該当することから、係争商標は無効を宣告された。

 

典型事件の意義

著名人には比較的高い影響力およびブランド価値があり、商標審査・審理実務において著名人の知名度に便乗して不正な商業上の利益を得ようとする状況が数多く存在する。

 

係争商標は中国の近代医学の先駆者の氏名を完全に含んでおり、その知名度および影響力を利用して市場競争優位性を不当に取得しようとする意図が明らかであり、公序良俗および公平な競争が行われる市場の秩序を維持するために、本件は商標法第10条第1項第(七)号の規定を適用し、この悪意の便乗行為を処罰するものであり、類似事件にとって一定の参考とする意義がある。(龍 侠)

(事例出典:中国国家知識産権局商標局ウェブサイト)

 

本文章は『TMfesta』から転載されたものです。

經通國際智慧產權事務所

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