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アップルの主張を退けて日本で審理へ。島野製作所が100億円の賠償を求めた裁判

2016/02/16 国際

日本の中小企業が、国際的な巨大企業アップルに一矢報いた。

アップルを相手取り、下請けの「島野製作所」(東京都荒川区)が約100億円の賠償を求めていた訴訟は、まずアメリカと日本のどちらの裁判所で審理するかで係争になっていた。

 

これに対して東京地裁は2月15日、「係争をアメリカの裁判所で解決することを定めていた両社の合意は、合意が成立する法的条件を満たしておらず無効」と判断。国内で審理することを決めた。産経ニュースなどが報じた。

 

国際的な裁判管轄をめぐる企業間合意を無効と判断するのは初めて。今後は日本企業が取引先の海外企業との紛争の際に訴えやすくなりそうだ。

 

■島野製作所の訴訟内容とは?

島野製作所は、電源アダプターに使われる「ポゴピン」というピンの専業メーカー。非上場の中小企業だが、技術力には世界的に定評があり、2005年からアップルのノートパソコンに接続する電源アダプタ側の端子向けに供給してきた。

 

島野側の説明によると、アップルから依頼を受けて新しいピンを開発したが、アップルは、自社で開発したものだと主張。アップルは2012年、島野への発注を減らし、アジアの企業からも供給を受けるようにした。

 

そこで島野は2014年8月に独禁法違反と特許権侵害で、約100億円の賠償を求める訴訟に踏み切った。MacBook AirとMacBook Proに使われている電源アダプタ「Magsafe 2」の販売停止と損害賠償を請求している。

 

CNET Japanによると、アップルはアジアの企業に発注したポゴピンは別設計であり、島野製作所の特許権を侵害していないとの立場だ。島野が主張する特許についても、アップルと島野が共同開発したものなので、そもそも無効と反論しているという。

 

■裁判所の管轄「合意は広範すぎるため無効」

裁判では損害賠償請求の審理に先立ち、「どの国の裁判所で審理するか」という国際裁判管轄が争われた。両社が契約時に、紛争はアップル本社があるカリフォルニア州の裁判所で解決すると合意していたためだ。

 

アップルは「日本での提訴は合意に反し無効」と主張。島野は「合意は独占禁止法が禁じる(アップル側の)優越的地位の濫用の下で結ばれたため不当だ。国内で審理されるべきだ」などと反論していた。

 

裁判所の管轄をめぐる判断を示した2月15日の中間判決で、東京地裁の千葉和則裁判長は次のように指摘したという。

 

「裁判管轄の合意は、国際事件であれ国内事件であれ、一定の法律関係に基づいた訴えに関して結ばれたものでない限り無効だ。それは片方の当事者が不測の損害を受けることを防ぐためだ」と指摘。「両社の合意は『契約内容との関係の有無などにかかわらず、あらゆる紛争はカリフォルニア州の裁判所が管轄する』としか定められていない」とし、合意は広範すぎるため無効と判断した。

 

本文章は『ハフィントンポスト』から転載されたものです。

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