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「リニア」商標争い、超高速 JR出遅れ、玩具で使えず

2015/03/23 国際

2027年のリニア中央新幹線の名古屋開通まであと12年。リニアをあしらった商品も目立ち始めたが、商標を他社におさえられてしまい、おもちゃやグッズなどで「リニア」を商品名に使えない事態が起きている。予想しない、いわば超高速の商標登録に、JR東海の関係者らも困惑顔だ。

 

 休日は親子連れでにぎわう名古屋市港区のリニア・鉄道館。その一角にある土産物販売コーナーには、リニアを模したチョロQが並んでいた。ただ、商品箱に「リニア」の文字はない。

 「実は商品名に『リニア』の言葉が使えなくて、困ったことになっているんです。すでに商標権をおさえられてしまって」。JR東海の関係者はそう話す。同社の子会社でリニアの試験車両をつくる日本車両製造には、鉄道グッズを専門に扱う「日車夢工房」という組織があり、そこではチョロQ以外に鉄道玩具のプラレールやリュックサックも展開している。しかし、その商品名に肝心の「リニア」の文言は見当たらない。

 

 調べると、「リニア」の商標は、鉄道業務などにかかわる分野はJR東海がおさえているが、おもちゃや文房具などグッズにかかわる分野は大阪府の不動産会社が持っていた。13年4月以降に登録され、その指定範囲は写真、印刷物、キーホルダー、布団、カーテン、将棋用具、すごろく、手品用具など思いつくままに対象を広げたかのようだ。

 不動産会社の男性は、朝日新聞の取材に対し、「東京のメーカーからおもちゃやTシャツに使いたいという相談がある。将来的には有償で権利を貸したい」と話す。

 

 商標をめぐる問題は様々な形で表面化している。

 リニアと同じ磁気浮上式で走る愛知高速交通東部丘陵線、通称リニモ。その始発となる名古屋市名東区の藤が丘駅近くの中央商店街振興組合は、開通を記念し04年にリニモにあやかった「リニもなか」を発売した。

 当初は、リニアモーターカーであることをもじった「リニアもーなーかー」が名前の候補だったが、商標上は「リニア」の文言はそのまま使えないことがわかり、名前を変えた。

 一方、玩具大手のタカラトミーは4月に発売するプラレールの商品名に「超電導リニア」を使う。「超電導リニア」の商標権を持つJR東海から許諾を得たためだという。

 

 「リニア」で始まる単語の商標登録は全部で153件ある。JR東海も多く商標権を持つが、法人や個人による登録は絶えず、今後、グッズ販売などで支障がでる可能性も否定できない。JR東海は「『超電導リニア』などはすでに商標を保有しているので、必要なグッズ作成に問題があるとは考えていない」としている。(鈴木毅、井上亮)

 

 〈商標権〉文字や記号、図などのマークを出願して登録した商標の使用を独占し、他人の使用を排除する権利。特許庁に出願し、審査に通れば登録できる。有効期限は10年間。申請すれば何度も更新できるが、出願や登録、更新には料金がかかる。

 

本文章は『朝日新聞』から転載されたものです。

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