山本漢方製薬がユーワを提訴 青汁商品、「同じ呼称、色も酷似」
2019/05/24 日本「大麦若葉」を主原料にした同名の青汁が商標権を侵害しているとして、製薬会社「山本漢方製薬」(愛知県小牧市)が、健康食品製造販売会社「ユーワ」(東京)に販売差し止めなどを求めて名古屋地裁に提訴していたことが分かった。提訴は3月25日付。
訴状によると、商品は大麦若葉を主原料とした粉末タイプの青汁で、山本漢方製薬は2016年に商標登録した。ユーワの商品パッケージの文字や、商品の呼称が山本漢方製薬と同じで、色使いや画像も似ていることなどから商標権を侵害していると主張。ドラッグストアなどの小売店では隣接して陳列されることも多く、購入者が混同するおそれがあり、不正競争行為に当たると訴えている。
ユーワの担当者は本紙の取材に、商標は登録されておらず「以前から協議してきたが折り合いがつかなかった」と話した。第1回口頭弁論は6月10日に開かれる予定。
山本漢方製薬は提訴について「お話しすることはできない」としているが、背景には、健康志向の高まりで健康食品市場が拡大を続けており、企業間の競争が激しくなっていることがあるとみられる。
調査会社の富士経済(東京)によると、青汁の国内販売額は13年は584億円だったが、その後5年間は毎年増加を続け、昨年(見込み)は804億円に上った。
特に大麦若葉を主原料とした青汁は特有の苦味が少なく、中高年を中心に人気があるという。昨年は青汁の販売額全体の8割近くを占めた。
一方で、同社の仁木彩調査員は「青汁の需要は落ち着きつつある。差別化が難しい商品で、販売は広告、通販に頼る傾向がある」と話している。
※本文章は『中日新聞』から転載されたものです。